福祉施設職員研修

群島内から集まった福祉施設職員が職種ごとに、課題共有を図り、業務改善などについて考えた

「人材確保」が課題 外国人労働者の登用注目
県老施協大島支部

 県老人福祉施設協議会大島支部(勝島洋臣会長)は10日、奄美市名瀬の宴集会施設など2会場で「2015年度職種別研修会」を開いた。群島内から関連する25施設・184人が参加。専門ごとに分かれ、職場での課題について他施設職員の取り組み事例を聞き、情報共有を図ったほか、施設の防災に関する講演もあり、福祉サービスにおける危機管理について理解を深めた。

 事務職、介護職、看護職、調理員など九つの職種ごとに行われた分科会では、事前に各施設から挙げられた質問をテーマに、各職員が自分たちの職場での取り組みなどを紹介し合い、業務効率の改善やサービスの質向上について考えた。

 デイサービスに関わる職員からの「創作活動についてどんなものがあるか」というテーマでは、▽利用者それぞれで作れるものが違うので、グループに分ける場合がある▽認知症が進んだ利用者に対しては、部分的にやってもらう▽ホットプレートで軽食を作っている―など事例紹介があった。

 施設長による協議の中で挙がった「人材確保」に関するテーマでは、大部分の施設が課題となっているなか、「外国人労働者の登用」に注目。実際に現場で外国人が活躍している施設からの報告があり、「言葉の問題は確かにあるが、知識・技術とも申し分ない人が多い。人材不足が深刻になれば、奄美でも有効になってくるだろう」という意見もあった。

 同支部・勝島会長は「それぞれの職場の悩みなどを共有しながら、それぞれ職員のスキルアップにつなげてほしい。今後続いていく研修会に関して、職員が入れ替わっても職場に還元できる内容で業務力向上を図れるものにしていきたい」と話した。

 午後からは、県老施協防災委員会委員長で、養護老人ホーム・聖園老人ホーム(阿久根市)施設長の川涯利雄氏が「今後の施設防災について」を演題に講演を行った。