「フェリーかけろま」新造起工

「フェリーかけろま」新造船起工式に出席した鎌田町長と工事関係者(町提供写真)

11月末、就航予定 客室バリアフリー化

 瀬戸内町営「フェリーかけろま」新造船(総190㌧)の起工式がこのほど、同船の代替船建造工事を請け負った寿工業㈱=いちき串木野市=造船所で行われた。参列した鎌田愛人町長をはじめ、行政、同社など関係者は工事の安全を祈願した。今年11月末の就航を予定している。

 同町まちづくり観光課によると、1994年に就航した現行船の老朽化に伴い、2014年度に新造船整備を決定。今年迎える町制施行60周年に合わせ、就航計画を進めていた。

 式典では、鎌田町長が起工スイッチを押して、着工する船の鋼板部材に溶接作業を開始。その後玉串を捧げ、参列者全員で完成の無事を祈念した。今後の見通しは、8月上旬に進水式、10月完成という。

 新造船の建造契約は5億5188万円。全長約38㍍、幅約9㍍、旅客定員140人。積載車両数は大型バス2台、乗用車4台。

 現行船とほぼ同型だが、船首と船尾にスクリューとランプウェイ(斜路)を備えた「両頭船」方式を採用。車両が前進のまま乗り入れできる特長を持つ。奄美群島の就航フェリーでは初めて。また1階部にバリアフリーの客室を設け、2階座席客室まで移動できるエレベーターも完備し、高齢者などへの配慮が盛り込まれている。

 同課によると、網野子トンネル開通、LCC就航で加計呂麻島への観光客数が増加傾向であることを受け、レンタカーの入り込み対応を重視。加藤和正課長は「乗り入れ作業の緩和で離島観光の拡充を図りたい」と意気込む。なお船名は『かけろま』を踏襲する予定。
 メモ
 フェリーかけろま 同町古仁屋港から加計呂麻島(瀬相、生間)を1日7往復する海上路。初代は1978年就航。