バードウォッチング最適季節

ルリカケスの飛び立つ瞬間を撮影しようとカメラを構えたり、双眼鏡で観察するツアー参加者ら

東京からツアー客、奄美大島入り
子育て中ルリカケスなど観察

 東京都調布市在住で、調布自然の会の会長なども務める叶内拓哉さん(69)らが21日から、バードウォッチングツアーのため奄美大島入りした。子育て中のルリカケスをはじめ、奄美大島でしか見ることのできない固有の野鳥や動植物を観察。叶内さんは「奄美では今の季節が一番固有の野鳥を見るのに最適な季節。天候にも恵まれ、まだ一日も経っていないのに、目的のほとんどを見ることが出来た」と笑顔を見せた。

 叶内さんは野鳥に関する多数の出版物などの発行や各種観察会などでバードウォッチングや野鳥写真の撮影方法などを指導。今回のツアーには、叶内さんのホームページ会員を中心に13人が参加し、3泊4日の日程で、▽ルリカケス▽アカヒゲ▽アマミヤマシギ▽オーストンオオアカゲラ▽オオトラツグミ―など、奄美特有の野鳥観察を目的に来島した。

 初日は奄美市笠利町の大瀬海岸や同市住用町で常田守さんガイドによるナイトツアーも実施。目的であるアマミヤマシギのほか、アマミノクロウサギやケナガネズミなど、夜の生き物たちを堪能した。

 2日目は龍郷町の奄美自然観察の森と、同町芦徳のアイランドサービスを訪問し、子育て中のルリカケスを観察した。アイランドサービスでは例年通り、ルリカケスが常設トイレの中に巣を作って子育て中。参加者らはトイレから遠く離れた場所でカメラを構えると、エサを運ぶ瞬間に合わせてシャッターを切る姿が見られた。

 今回、約5年ぶりの来島という叶内さんは「ツアーで人を連れてくる場合、奄美特有の野鳥を観察しようと思えば、今の季節が最適。野鳥の観察は見たいものがすべて見られるとは思っていないが、今回はオオトラツグミを除いてもうすべて見ることができた。野鳥だけでなく、クロウサギもしっかり見ることが出来たので、今回のツアーは、現段階ですでに100点満点」と語った。最終日まで各地で野鳥や希少な動植物を観察するという。