徳之島町世界自然遺産登録推進

啓発対策の強化が求められた第3回徳之島町世界自然遺産登録推進協

徳之島町世界自然遺産啓発シール
希少動植物のシルエットをあしらった啓発シール

意識啓発と情報共有を
シールも作成配布

 【徳之島】第3回徳之島町世界自然遺産登録推進協議会(会長・高岡秀規町長)が22日夜、同町役場であった。官民一体の外来植物の調査・駆除作業で「住民の意識が高まった」など報告の半面、登山道除草の奉仕作業時と推測の「希少種伐採」事例の報告も。島民意識の啓発対策に民間代表は「具体的計画」と「緊張感」を持った取り組みを強く求めた。

 地区自然保護協議会や各種民間団体、役場各課代表委員にオブザーバー(国・県)を交え約30人が出席。高岡会長あいさつに続き事務局(企画課)側が「奄美・琉球」の世界自然遺産登録や奄美群島国立公園(仮称)指定、地方創生先行型事業を活用した「ふるさと環境再生事業」、国定公園の適正利用など取り組みを説明した。

 「ふるさと環境再生事業」予算を活用、2月から町北部地区で始めた外来植物アメリカハマグルマの抜き取り作業に関し、町側は「住民を巻き込んだ駆除作業で、住民意識の啓発につながった」。一方で島南部の最重要ゾーン・井之川岳の登山道では、足もとの安全確保の下草刈り払い奉仕作業時とみられる希少植物の伐採被害例を報告。希少種の分布など「事前に相談すれば防げると思う」とも指摘した。

 質疑では、核心的地域への入域・入山ルールづくりも含め、島民の意識啓発の強化が必要との認識で一致。「そろそろ具体的な計画を決めての実行が大事」。外来植物の駆除作業では日当従事者と奉仕作業者が混在した矛盾も指摘。安全確保の善行が先立った登山道の伐採例でも「希少種の存在など情報共有、啓発が大事」と確認しあった。

 同町は啓発対策の一環で、世界自然遺産登録への啓発シールを作成して配布中(問い合わせは同町役場企画課)。今月27日午前10時からは前川生活館で「エコツーリズム講習会」(講師・田中俊徳東京大学特任助教)も計画している。