伊仙町CCRC構想検討会議

構想の骨格を示した「伊仙町生涯活躍のまち(離島版CCRC)構想検討会議=24日、同町

都市圏自治体と連携必要
中野区も視野、骨子示す

 【徳之島】大都市圏に暮らす中高年層などの移住を促し少子高齢化や人口減少対策を進める第2回「伊仙町生涯学習のまち(離島版CCRC)構想検討会議」(幸多実会長)が24日開かれた。町の先進的な保健・介護予防事業など地域包括へルスケアを核に、東京都中野区と連携模索した受け入れ体制づくりや課題など、構想の骨子が示された。町「まち・ひと・しごと創生」総合戦略に反映させていく。

 同町は、人口減対策や地域活性化を目指す国の「離島版CCRC推進」の地方創生先行型交付金4974万2千円に続き、同加速化交付金もほぼ満額の7986万2千円を獲得(いずれも今年度予算に追加補正済み)。各種調査や構想策定、情報発信など各種条件整備も一気に加速させる。

 第2回同構想検討会議は町中央公民館であり、関係機関・団体や住民の代表、傍聴人など約25人が出席した。大久保明町長はシンポジウムin東京(先月27日)の「成功」や「お試し移住」受け入れなど関連事業の経緯を交え、「地方のモデルになれるよう企業誘致(しごと確保)も推進。地域の伝統文化を生かす形が日本版CCRCだと思う」。幸多会長も「加速化交付金査定のほぼ100%は、名実ともにモデルになったと思う」とも強調。

 策定作業受託業者の専門家が活動報告。「市場ニーズの調査・分析」では、複合的に参考にすべき全国3事例に▽杉並区・南伊豆町の自治体連携(東京圏全域で医療・介護施設や人材不足が深刻化する対策として補完できる複合型コミュニティーの構築)▽島根県海士町▽島根県浜田市―の取り組み例を提示。

 その上で「『来てください』と呼び掛けるだけでは来ない。継続的に送り込んでくれる組織との連携が大事」。可能性を探るべき対象自治体として中野区(人口31万4750人、65歳以上19・6%、合計特殊出生率23区最低の0・93人)を提示。要介護者受け入れ施設の収容能力が十分でないなど同区の重要課題を、健康増進施設ほーらい館を中心に「非常に優れたヘルスケア」産業で補完し合う構想も骨格に据えている。

 東京シンポ会場アンケート結果では、▽地方に興味がある95件(67%)▽「お試し移住をしてみたい」の1年以内は15件(12%)、いつかしてみたいは56件(44%)▽伊仙町期待すること(複数回答)には①航空運賃補助64件②医療・福祉・介護環境の整備51件③働くことができる職場の確保47件などの報告があった。