県と奄美市開発公社が同市名瀬港で進めている本港地区整備事業。新たに需要調査を行い、それに基づく計画の見直しを予定している
県と奄美市開発公社が同市名瀬港で進めている本港地区整備事業(埋め立て工事)について、同公社は24日夕、地元企業に売却を予定している業務施設用地への参入希望者を対象とした説明会および需要調査を、同市名瀬の奄美文化センター会議室で開催した。今回の需要調査等を踏まえ、5月頃に同事業計画の検討委員会(第3者委員会)を立ち上げ、新年度内を目標に事業計画の見直しを進めていく方針。
同事業は名瀬港マリンタウンプロジェクトの一環。奄美市が中心市街地で実施している末広港土地区画整理事業と一体性の高い都市機能用地を確保し、それぞれの機能を相互に補完するとともに、相乗効果を発揮するような広域的な港まちづくりを目指している。
マリンタウン地区整備事業の埋め立て面積は約6・1㌶(県2・8㌶、市3・1㌶)。埋め立て後は県事業分として海側に防災拠点緑地、臨港道路、耐震岸壁など整備。同開発公社事業分として現計画では陸側に公共公益・流通関連・娯楽サービス・観光関連など各施設と住宅などの都市機能用地(陸域部を含む全体面積約5・6㌶)を整えることとしている。
市は昨年9月に起工式を行い、埋め立て工事に着手。年度内に計画面積の約63%を完了する予定。計画区域全体の埋め立て完了は16年度末を見込んでおり、その後、上下水道の整備等を行い全体の完成は18年度。同年度末以降に土地の売却を予定している。
ただ現行計画は約10年前の需要調査をもとに立てられており、埋め立て工事着手に伴い、今回改めて需要を調査し、それにより計画の見直しを図ろうとするもの。
地元企業を対象とした同日の説明会には26人が参加。質疑応答では「中心市街地を補完する目的があり、商業施設については考えていない」との市側の説明に対し、「『娯楽サービス施設』(市の説明ではボーリング場や遊戯場、映画館、ファミリーレストラン等)と、『商業施設』との線引きがあいまい。より明確にしてほしい」など指摘があった。
また「売却は『地元に本社を置く企業』との条件をつけるべき」、「ボーリング場や映画館などは地元のノウハウでは厳しい。テナントとして(島外の)大手を引っ張ってくることも検討しては」など様々な意見があり、市は「検討委の中で議論していく」とした。
業務用地への参入希望者に対しては、4月15日を期限に需要調査票の提出を求めている。今回説明会に参加しなかった場合も希望者は同市土木課河川港湾係(℡0997―52―1111内線1208)で所定の調査票を入手し、期限内に奄美市開発公社(℡0997―54―1211)へ直接、あるいは郵送で提出してほしいという。