春感じさせる自然観察の森

アマミセイシカ

龍郷町の奄美自然の森、卵を抱くルリカケス(上)、開花したアマミセイシカ(下)

ルリカケス子育て中 アマミセイシカ開花も

 奄美大島島内の各山々を眺めると、まるでブロッコリーのように亜熱帯照葉樹が芽吹き始めており、春の訪れの一端を感じさせる。龍郷町の奄美自然観察の森では、野外トイレ内に作られた巣で生育中のルリカケスのヒナ4羽のほか、木に営巣し卵を抱く親鳥の姿が2カ所で確認されており、無事に巣立ちの日を迎えられるようにと関係者が静かに見守っている。

 同施設の指導員川畑力さんによれば、誕生したルリカケス4羽以外にも、一つの箇所に3個、もう一カ所で4個の卵が確認されたという。入園者も利用する歩道近くであることから、◎回ルートを設けたり、立ち入りを防ぐフェンスを設置するなどして、子育てしやすい環境作りに努めている。

 『奄美の野鳥図鑑』(NPO法人奄美野鳥の会発行)によると、ルリカケスはスズメ目カラス科で、国指定天然記念物。奄美大島の固有種で、奄美大島と加計呂麻島、請島に分布する鹿児島県の県鳥となっている。

 また、施設敷地内では、奄美大島の固有種「アマミセイシカ」が開花。4株植栽されたものの一部ではあるが、可憐に美しく咲く、白い花を目にすることができる。

 川畑さんは「孵化するまでは静かな環境で見守りたい。ヒナにかえってからは見学しやすいので、私たちと同伴であれば見ることも可能」と話した。