大島連続完封で勝利

【3回戦・大島―曽於】7回裏二死二塁、4番・上原が左前に先制適時打を放つ=県立鴨池

曽於に3―0、4回戦へ

 【鹿児島】第138回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第8日は27日、鹿児島市の県立鴨池、鴨池市民、両球場で3回戦4試合があった。

 奄美勢は第3シード大島が曽於と対戦。3―0で勝利し、初戦から2試合連続完封で4回戦に勝ち進んだ。

 第9日は28日、両球場で4回戦4試合がある。奄美勢の対戦は組まれていない。

 【評】大島は初回から毎回走者を出し、得点圏に進めながら適時打が出なかった。七回二死二塁で4番・上原が左前適時打を放ってようやく均衡を破ると、八回は9番・國分の犠飛、1番・武田健の左前適時打でダメ押した。五回までは先発・上原、六回からはエース渡が曽於打線を完封。守備も無失策の堅守で投手陣を援護した。

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苦戦も堅守でものにする 大島

160327曽於送球アウト

【3回戦・大島―曽於】4回表曽於無死二塁、捕手・國分からの好送球で二走・宮ケ原(右)がタッチアウト。遊撃手・大山=県立鴨池

 「決勝に勝ち上がる」ことを今大会の目標に掲げる大島にとって、上原勇人の先発は「渡を使わずに勝つ」(渡邉恵尋監督)という明確な狙いがあった。間違っていたわけではない。ピンチを背負いながらも、上原は五回まで曽於打線を無失点で抑えていた。

 ただ、相手投手の出来が予想以上に良かった。内外、高低と適度に散らす投球術の前に、大島打線は狙い球を絞り切れない。初回から毎回走者を出して、得点圏まで走者を進めながらも適時打が出ず、得点が奪えなかった。

 攻めながら得点が奪えず、相手にワンチャンスをものにされる。シード校が敗れるありがちなパターンにはまりそうな展開だったが、大島には相手に点を与えない「堅守」という武器がある。

 四回表、先頭打者に二塁打を打たれた。ピンチだったが、遊撃手・大山竜生主将は「1球目のバントをファールしたとき、二走が飛び出していたので、送球アウトが狙えると思った」。2球目、バントしそこなって空振り。予想通り二走が飛び出すと、捕手・國分祐希が素早く二塁送球でタッチアウト。相手の先制機を摘み取る値千金の好守だった。

 國分は背番号9の外野手だが「冬の間、捕手の練習は十分やってきた。思い切り投げたのが良かった」。晴天続きで、砂ぼこりが舞う荒れ気味なグラウンドだったが、遊撃手・大山、二塁手・武田健を中心に鉄壁の堅守は最後まで崩れなかった。

 六回からは渡をマウンドに送り、本来のスタイルでリズムを作り直す。七回の好機に、4番・上原は「ここで打たなかったらやばい」と危機感を募らせた。追い込まれ、狙いとは違った変化球だったが反応し、左前適時打を放った。予想以上に苦しんだが「守備からリズムを作る自分たちの野球」(大山主将)で勝利できたことが自信になった。
     (政純一郎)