奄美署がハブ対策講習

目の前に差し出されたハブに、緊張しながら触れる警察官たち

住民の安全安心のために
新任署員 生態や対処法学ぶ

 奄美署(榊伸一郎署長)は、市民からのハブ捕獲依頼の通報に備えた「ハブ対策講習会」を28日、奄美市名瀬長浜町の奄美観光ハブセンターで行った。3月に奄美に配属されたばかりの警察官11人が、ハブの生態や安全な対処法を学習。住民からの要請に即応できるよう手解きを受けた。

 同署によると、2015年度に同署に寄せられたハブ対応の通報は15件。通報場所は山が近く、島外からの転勤者が多く住む名瀬地区が中心で、同署は通報に備え、管内のパトカーに捕獲道具一式を常備している。

 ビデオでハブの生態について学んだ署員たちは、同センターの職員でハブ捕獲歴30年になるという本山栄隆さん(61)から「ハブは夜行性だが、雨天の路肩や樹上、軒下、天井で休むこともある」など、奄美特有のハブの生態について教えられた。

 その後、生きたハブが登場すると署員らはキバの位置や肌の質感を間近で確認。代表者による捕獲訓練では、「決して直接触らないように」という注意を守りながら、専用器具や棒を使いながら、安全な対処の方法の手解きを受けた。

 今年、枕崎署から奄美署の四谷交番に配属され、捕獲訓練を体験した前田周次郎警部補(35)は「ハブは見たのも初めてだった。実際の場で対応できるかは不安だが、住民の方の安全のためにも頑張りたい」と話した。