51年の歴史に幕

31日、名瀬公民館で行われたラストコンサート

生涯学習、憩いの場
奄美市の名瀬公民館 さよならコンで市民が別れ

 生涯学習、憩い、読書利用の場として市民から親しまれてきた奄美市の名瀬公民館が31日、51年の歴史に幕を下ろした。同日夜は「さよなら公民館」(同実行委主催)と題したラストコンサートには多くの市民が訪れ、歴史とともにたくさんの思い出が詰まった公民館に最後の別れを告げた。

 最後のイベントはホールの座席がほぼ満席で埋まった中、十番館ブルースバンドを皮切りに8組のアーティストが出演。「名瀬公民館に幸あれ」(エラブチ剛さん・乾杯)、「愛はどこにある。中央公民館にある」(The☆Cano-pus・田園)など歌詞をかえて公民館への感謝を表すなど、出演者それぞれが公民館への思いを歌に込めた。

 西和美さんは「みなさんとのいろいろな思い出がたくさん詰まっているので、それを思い出しながら歌いたい」と語り、前山真吾さんと島唄による歌掛けも披露。最後は来場者とともに「いきゅんにゃかな」を熱唱した。

 約3時間のコンサート。来場者は終演を惜しむようにそれぞれの出演者に温かい拍手を送った。

 コンサートが終わり、来場者を見送った後は公民館スタッフによる閉館セレモニーも。最後は1本締めを行い、笑顔で最期の日を締めくくった。

 新たなスタートに向けて同公民館を指定管理するNPO法人・アマミーナの上堀内ちあき副理事長は「指定管理者としては与えられた場所、与えられた予算で最大限に市民に貢献できるよう今後も取り組んでいきたい。ただ奄美市民の一人として、『誰でも立てる舞台』がこれでなくなってはいけないとも思うので、良い形が生まれるようにみなさんと考えていけたら」などと話した。

 公民館は1965年に完成。解体工事は本庁舎建設の本格化に伴うもの。市教委によると、今後、代替施設として使用する名瀬港町の紬会館7階への引っ越し作業を進め、今月下旬から5月上旬にかけて公民館建物の解体工事が始まる予定。