大島 4強逃す

【準々決勝・大島―加治木】3回裏大島二死三塁、2番・大山が左前適時打を放ち2―0とする=県立鴨池

加治木に逆転負け
春高校野球第12日

 【鹿児島】第138回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第12日は1日、鹿児島市の県立鴨池球場で準々決勝2試合があった。

 第3シード大島が加治木と対戦。三回に2点を先取したが、五回に逆転され、その後試合をひっくり返せず、3季連続の4強入りを逃した。

 2日は休養日。第13日は3日、同球場で準決勝2試合がある。

浮足立ち、最後まで落ちつけず
大島

160401大島バッテリー

【準々決勝・大島―加治木】6回のピンチを三振で切り抜けてハイタッチする大島・渡(右)―上原(左)バッテリー=県立鴨池

 大島は攻守の歯車が最後までかみ合わず、逆転負けを喫した。渡邉恵尋監督は「序盤で浮足立ってしまったのを最後まで落ちつけなかった。劣勢を覆すだけの底力がまだなかった」と悔しがった。

 立ち上がり、先頭打者がいきなりセーフティーバントを決めてきたように、加治木はチャレンジャー精神で果敢に挑んできた。初回のピンチは併殺でしのぎ、三回に2点を先制。「守備からリズムを作る」(大山竜生主将)大島の勝ちパターンに持ち込めたはずだったが、五回には二死から満塁のピンチを招き、4番の長打で同点に追いつかれた。勝ち越し点をエラーで献上するなど、堅守のチームらしからぬミスが続いた。

 攻撃でも、変化球主体の相手投手に簡単に打ち上げてリズムに乗れない。六回は先頭打者が出塁しながら送りバント失敗。七回は1番・武田健が絶妙のセーフティーバントを決めながら、一走が二塁オーバーランでタッチアウトになるなど、拙攻が痛かった。「ミスで失点したことで焦ってしまった」(大山主将)。

 今大会は、未だ達成していない決勝進出、夏の甲子園出場のために「先を見据えて戦う」ことをテーマにしていたが「あまりにそれを意識させすぎたかもしれない」と渡邉監督は省みる。挑んでくる相手にも受け身にならずに戦うにはどうするか? ミスをしないことを心掛けつつ、ミスがあっても修正できるか? 最終的には劣勢でも覆すだけの底力をいかにして身に着けるか?…痛い敗戦の中に、夏の戦いの「ヒント」が隠されている。
(政純一郎)