奄美出身選手も活躍

【決勝・神村学園―樟南】4回表神村一死三塁、7番・田畑(金久中卒)がスクイズを決め、11―3とリードを広げる=県立鴨池

神村学園、圧勝で3季ぶりV
春高校野球最終日

 【鹿児島】第138回九州地区高校野球大会鹿児島県予選最終日は4日、鹿児島市の県立鴨池球場で神村学園―樟南の決勝があり、神村学園が13―4で圧勝し、3季ぶり9回目の優勝を勝ち取った。

 1点を追いかける神村は三回、5番・南川の右前適時打で同点に追いつき、7番・田畑(金久中卒)の三塁強襲打がエラーを誘って勝ち越す。9番・高山にも走者一掃の中越え二塁打が出て、この回6点を奪って主導権を握った。二回以降リリーフしたエース高山が好投し、九回にも2点をダメ押し、第2シード樟南を寄り切った。

 神村、樟南とセンバツ出場の鹿児島実の3校が九州大会(4月23日―・長崎)に出場する。

 神村学園・吉田虎太郎(金久中卒) (3安打と活躍)気持ちが強かった。来た球を思い切り振った。次につながる試合ができた。

 同・田畑寛成(同) チームメートの(吉田)虎太郎や相手の前川、鹿児島城西の平、金久中の同級生が活躍していたので、自分は思い切ったプレーを心掛けた。秋は勝てなくて悔しい思いをしたけど、この春に勝つ喜びを味わえて良かった。

 樟南・前川大成主将(同) きょうも0点で抑えるつもりだったが、神村学園打線は甘く入ったボールを逃さずフルスイングしてきた。初回の2点は仕方ないが、三回の6点にエラーが絡んでいたのが悔やまれる。今まで投手に助けられたのに、守備で投手を助けられなかった。甘い球を逃さない神村や鹿実の打撃が、自分たちの目指す姿を見せてくれた。

甘い球、逃さずフルスイング
神村学園 「史上最弱」からの成長

160404神村・高山

【決勝・神村学園―樟南】好リリーフした神村のエース高山=県立鴨池 神村学園は樟南のエース畠中、今大会無失点の浜屋、大会屈指の好左腕から19安打13得点と猛打を浴びせ、3季ぶりの頂点を勝ち取った。

 「ロースコアの展開になる」という小田大介監督の予想をはるかに上回る出来だった。

 「ゾーンを上げろ!」

 試合中、小田監督やベンチから盛んに出されていた指示だった。畠中、浜屋とも、ボール球になる低めの変化球で空振りを取るのが持ち味。これを振ってしまうと相手の術中にはまってしまう。各打者のストライクゾーンを高めに上げて、ストライクを取りにくるボールを逃さないことが攻略のポイントだった。

 「来た球に反応してフルスイングしただけ」

 初回、バックスクリーンへ特大の先頭打者本塁打を放った田中梅里主将、三塁打を含む3安打と活躍した2番・吉田虎太郎、2本の長打で5打点をたたき出し、無失点の浜屋から初得点を奪った9番・高山大河、3人とも同じ言葉を発した。リードしていた樟南・前川大成主将は「今までのチームは、見逃したり、打ち損じてくれていたけど、神村打線は甘い球を逃さなかった」と脱帽する。

 準々決勝以降、大会屈指の好投手をことごとく打ち崩した打撃に目が行きがちだが、決勝戦は二回以降リリーフした高山の好投と、無失策の守備も光る。先発の内田雅が振るわず、二回からのロングリリーフだったが「(ロングリリーフも)あると思って準備していた」と高山。左打者の多い樟南打線に対して強気に内角を攻める投球で、守備のリズムを作った。「僕らは打てるチームだと思っていない。守りからリズムを作るチーム」と田中梅主将は胸を張る。

 昨秋4回戦負けで、3年連続のセンバツ出場を逃し、小田監督から「史上最弱」と罵声を浴びながら苦しい冬を過ごした。昨秋は二塁を守っていて、敗戦につながるエラーをした高山は「苦しい練習で、技術よりも精神的に強くなる」ことを自分に課した。3回戦の鹿屋中央に始まり、この春は出水中央、れいめい、鹿児島城西と私学強豪ひしめく最激戦区を戦う中、3年生を中心にユニホームを泥だらけに汚しながら、貪欲に勝つ野球を目指した。

 激戦区を勝ち抜いて優勝できたことは「自信になった」(田中梅主将)。だが小田監督は「史上最弱」の看板は外さないと言う。決勝戦でも中盤拙攻があったり、守備でも記録に出ないミスがあった。この2年間逃している夏の甲子園のためにはまだまだ課題は山積みだ。ただ「強い神村を作った過去の先輩に一歩だけ近づいた」ことは間違いない。
(政純一郎)