ノネコ問題普及啓発へ

パンフレットを制作した大島高校生物部の久保駿太郎君

高校生がパンフ作成
大高生物部・久保君「真剣に考え向き合って」

 『奄美の明日を考える ヒトとネコ、そして自然との共生を目指して』(環境省那覇自然環境事務所発行)がこのほど完成した。大島高校生物部の久保駿太郎君(2年)が作成した、ノネコ問題についてまとめたパンフレットで、奄美大島と徳之島の高校や、市町村、公共施設などに配布予定という。

 同パンフレットは全18ページ。久保君が部活動や同校の総合的な学習の時間(ST)などを通し、ネコ問題について学んだ成果を、広く一般にも普及啓発するために取りまとめたもの。作成は昨年5月頃から話が挙がり、8月頃に正式に決定。各調査などを経て、12月から本格的な作業に取り掛かったという。

 最初のページで奄美群島の自然や固有種、ネコとはどのような生き物なのか紹介したあと、次ページからはネコの問題として▽野生動物への影響(希少種捕食、病原菌の感染など)▽人間生活への影響▽殺処分されるネコの問題―などについて説明。久保君も実際に参加した「住民への意識調査」の結果や、ネコ問題への行政や民間団体の対策活動、先進地の事例、今後必要となる取り組みなどについてまとめている。

 パンフレットで奄美群島の問題について「奄美群島すべての住民が真剣に考え、向き合っていくことで解決への道が見えてくると思う」と記した久保君は、「文章を書くのは大変だったけれど、最後まで作り上げることが出来てよかった。パンフレットの中の意識調査は、調査にも参加したが、事前に準備してもなかなかうまく聞き出せずに難しかった」と振り返った。

 パンフレットは220部作成しており、奄美大島と徳之島の高校には各クラスに1冊配布予定。大島高校では始業式のあった6日、全クラスに配布されたという。

 パンフレットに関するという合わせは環境省奄美野生生物保護センター電話0997‐55‐8620まで。