パッションフルーツ 受粉から始まる物語

パッションフルーツの受粉作業に挑戦する参加者

瀬戸内町で体験イベント
9人の女性参加、7月には収穫も

 「Sweet Passion Story~パッション物語~」(瀬戸内町地域おこし協力隊・中村友美さん、Tresure Farm・籾山育代さん主催)が8日、瀬戸内町嘉鉄の営農支援センターハウス「永村ファーム」で行われた。町内外から9人の女性が参加。受粉体験から始まる「パッションフルーツ物語」の完成に向け、花をつけたパッションフルーツの受粉作業に取り組む姿が見られた。

 同イベントは、女性に人気のあるパッションフルーツの、「実が出来るまで」「産地の様子」などを楽しく学ぼうと企画。「パッション物語」をテーマに、参加者が受粉・収穫・加工作業の物語を体験することで、より一層、パッションフルーツに興味を持ってもらい、地産地消にもつなげたいとしている。

 この日は同ファームで花を咲かせたパッションに筆を使って受粉作業に挑戦。パッション農家1年生という籾山さんらを始め、町内でパッション農家を営む人が講師を務めた。

 パッションの花は昼頃から咲き始めると、次の日には閉じてしまうため、受粉が出来るのは半日だけ。参加者らは丁寧に花を扱いながらも、一人当たり20個を目安に、受粉作業に取り組んだ。

 中村さんと籾山さんは「瀬戸内町ではパッションを育てている人も多いが、実は地元の人が知らないことも多い。ミカンコミバエ問題で果実が島外出荷できるかどうかはまだ分からないが、加工品なら販売できる。最後の商品開発では、実際に参加者からも意見を募って新しい商品を作ることができたら」と語った。

 同イベントでは受粉体験のほか、パッションソースのドレッシングを和えたサラダやレアチーズケーキなど、パッションフルーツを活用したランチやスイーツもふるまわれた。

 今年2月に東京から移住してきた早樋容子さん(久根津在住)は「パッションフルーツは食べたことはあったけれど、こうやってなっているのを見たのは初めて。作業自体は簡単だけれど、全部を一つ一つ受粉させるのは、数も多くて大変そう。ぜひ収穫作業にも参加したい」と語った。

 同イベントでは7月には収穫体験、10月~1月には商品開発などを計画している。