天城町農業センター 第1回「春の苗もの市」

地場産の野菜・花き類苗などが人気を集めた天城町農業センター「春の苗もの市」=10日、同センター

地場産苗で活性化を

 【徳之島】天城町農業センターの第1回「春の苗もの市」(町農政課主催)が10日、同センター駐車場であった。同センターの農業研修生や町内の農家たちが丹精を込めて育苗した野菜や草花、果樹などの苗類を中心に展示即売。町内外から延べ約300人が訪れ、地場産の苗を買い求めるなど人気を集めた。

 同農業センター(瀬川裕美所長)によると、農業が盛んな島にありながら、苗物類の多くは県本土から仕入れ、商店などで販売されているのが現状。初企画した同市は、地場産苗類の供給推進による町内の苗物生産農家の育成が目的。町内一般農家5戸と、農業研修者を受け入れている同センター、JAあまみ天城事業所の7ブースが出店(展)した。

 「家庭菜園用の苗」「花壇・プランター鉢用の草花苗を」と求める3町の住民たちが開始前から続々と詰めかけて待機。事前告知の販売開始は午前10時だったが、混在防止のため急きょ数十分間繰り上げる反響ぶり。トマト・カボチャ・レタスなど野菜類、マリゴールドやペチュニア、バラなどの花苗類。ツツジやテンバイ(実生栽培)など花木類も人気を呼んだ。

 出店者の1人・前田豊宏さん(66)=浅間=は高校退職して就農約8年目。サトウキビ1・2㌶、バレイショ1㌶、ニンジン20㌃のほか自家用を含む苗類も手掛け、「苗販売を通じて町の活性化になればと参加。農家同士の情報交換、交流の場にもなる」。

 大久幸助町長は「町農業センターは3町住民対象の『農業塾』も開き役立っていると思う。苗市は『鹿児島花市場』のように盛んになって欲しい」。また、福健吉郎農政課長は「秋の苗もの市は町農業祭で併催し、年2回恒例開催したい」と話した。

 同農業センターは今年度、宿泊施設の再整備も行い、宿泊研修の受け入れ態勢も整える。