プロチームも震災被災者支援

道行く人に募金を呼びかける鹿児島Uの選手ら

160417レノヴァ募金活動
クリニックの参加者に募金を呼びかけるレノヴァ・鮫島選手(右端)=レノヴァ鹿児島提供

鹿児島U、レノヴァが募金活動

 【鹿児島】熊本県を中心に発生した震災被災者を支援しようと、サッカーJ3の鹿児島ユナイテッドFCやバスケットボールのレノヴァ鹿児島(5月からは鹿児島レブナイズ)が募金活動を始めた。

 鹿児島Uは17日、鹿児島市金生町の山形屋前で選手やクラブスタッフらが募金を呼び掛けた。この日は鴨池陸上競技場でSC相模原との公式戦が予定されていたが、地震の影響を考慮して中止。熊本出身の水本勝成選手やロアッソ熊本に所属経験のある吉井孝輔選手、関光博選手、五領淳樹選手らが自主的に参加した。他の選手、クラブスタッフらも全員で熊本に向けての寄せ書きを書いた。

 浅野哲也監督は「日ごろ、我々は多くの人に支えられてサッカーができている。こんな時こそ、どこの地域であっても恩返しをしたい」と語った。八代出身の水本選手は両親や友人が避難生活を強いられており「心配で夜も眠れなかった」という。「こういう活動が少しでも被災者の力になり、選手としてもサッカーができるありがたさを忘れず、プレーで被災者を勇気づけたい」と心境を話した。

 市内の会社員・桑迫伸吾さんは妻の美穂さん、息子の世成君、真生君と相模原戦を観戦予定だった。「フェイスブックで募金していることを知った。コンビニなどの募金箱よりも、チームを通して被災者に役立ちたかった」と募金に訪れた。世成君、真生君が趣味で集めていた貯金箱を「熊本の人のために使ってください」と手渡した。

 レノヴァは16日、市内の鹿大附属中で鮫島和人選手、安慶大樹選手がクリニックをした後、会場で募金活動した。18日以降もクリニックやイベントなどの会場で活動する予定だ。

 大山亮平代表は熊本大の出身。学生時代の多くの友人が避難生活をしており「避難所の夜が怖いと話していた」という。

 NBLの熊本ヴォルターズは被害の大きかった益城町にある体育館を本拠地としている。レノヴァとは昨季のプレーシーズンゲームを戦っており、今秋からはBリーグ2部西地区の同リーグで戦うなど、関係の深いチーム。大山代表は「被災地が一日も早く復興するよう、我々もできることをやりたい。今後は公の場での募金活動も積極的にやっていきたい」と話していた。

 集められた募金はそれぞれロアッソ、ヴォルターズを通じて被災者支援に役立てる。
(政純一郎)