ミカンコミバエ防除のためのテックス板をヘリに積み込んだ(19日、瀬戸内町の手安ヘリポート)
奄美大島でのミカンコミバエ発生に伴う緊急防除として県は19日、奄美大島と加計呂麻島、請島、与路島の山間部やがけ部へヘリコプターによるテックス板の空中投下を始めた。同日は請・与路・加計呂麻島の一部で約1万4千枚を投下。来月上旬までに14万枚の投下を予定している。航空防除は今年度は今回が初で通算4度目。
テックス板は、木材繊維を固めたものにミバエ類を誘引する薬剤と殺虫剤を含ませたもの。形は1辺4・5㌢の正方形。ヘリによる投下は奄美大島で発生しているミカンコミバエ種群のまん延防止と早期根絶を目的に実施している。
悪天候の影響で当初予定日からは1日遅れての開始。主に南部から北部へ投下エリアを移動し、予備日も含め、5月8日まで実施する予定。19日は奄美空港を出発したヘリが午前9時半頃、瀬戸内町手安ヘリポートに到着。テックス板を積み込んで請・与路、加計呂麻島へと向かった。
昨年度は初回となった11月の12万枚を皮切りに、第2回15万枚、第3回24万枚を投下している。
今回は期間中、ヘリ1機で放任園や荒廃園、寄主植物の野生群落地など、人の出入りが困難な山間部やがけ部に投下する計画。基本的には1㌶当たり2~3枚投下しているという。
県大島支庁農政普及課の宝正己課長は「これまでも地上防除と併せてヘリによる航空防除を行い、奄美大島でも16週連続ミバエの誘殺ゼロという結果を残している」とテックス板防除の効果を強調。「今後、5月下旬にスモモ、7月にパッションフルーツの出荷を控えている。これらに影響が出ないよう、引き続きしっかり防除に努めていきたい」とした。
また徳之島でも5月9~15日にかけて、航空防除が計画されている。