徳之島闘牛GW場所

満員の観客を沸かせたミニ軽量級タイトル戦(左・勇兄弟琴羽)=3日、徳之島なくさみ館(伊仙町)

興行収益の一部は熊本へ(主催者スタッフ)

全島一に「邁進龍」
ミニ軽量波乱 新王者に「勇兄弟琴羽」

【徳之島】徳之島名物闘牛のゴールデンウィーク(GW)場所の目玉、「全島一決定戦・ミニ軽量級優勝旗争奪戦Wタイトルマッチ天城町大会」(天城町闘牛協会主催)は3日、伊仙町の徳之島なくさみ館であった。ミニ軽量級は、挑戦牛「勇兄弟琴羽」(亀徳)が14連勝中の「野島建設闘将☆マングース」(門真)の7度目防衛を阻止、最強の全島一王座には「邁進龍」(阿三)がついた。

今年のGW場所は1日の「全島若手花形闘牛大会」(会場・徳之島なくさみ館)で開幕。連日島内外の闘牛ファンや観光客ら約3千人を飲み込み、闘牛士(勢子=せこ=)らの勇壮な掛け声とともに1㌧前後の巨体が砂塵を蹴立てて激突、迫力満点の取り組みで観客を圧倒するなど沸かせている。

3日の同大会は天城町内の中高生グループ「結シアター手舞」のオープニング演舞などに続き、午前10時から「封切特別戦」で始まった。
14連勝中で7度目防衛戦の「野島建設闘将☆マングース」に「勇兄弟琴羽」が挑んだ注目のミニ軽量級(750㌔以下)タイトル戦。勇兄弟琴羽が再三の腹取り速攻でチャンピオンを鉄柵に押し込む予想外の展開となり、闘将☆マングースは対戦時間10分58秒で力尽きた。

徳之島闘牛界最強の「全島一」(無差別級)決定戦は、「牛若丸牧山號」(西犬田布)の戦意無しの不戦勝で元中量級王者の「邁進龍」が王座につき2冠に輝いた。

主催者の天城町闘牛協会(西松哲弘会長)のスタッフらは背中に「頑張ろう熊本?」をプリントしたTシャツ姿で大会を運営した。西松会長(57)は「本日の興行収入の一部を義援金として熊本地震被災者たちに贈ることを協会で決めた。1日も早い復興を祈りたい」。また、結シアター手舞の中高生たちは募金箱でも協力を呼びかけた。

GW場所は4日午後1時から同会場である4大会目「第16回全島中量級優勝旗争奪戦徳之島町大会」で〝千秋楽〟となる。