地元酒造会社の担当者から黒糖焼酎について学ぶ奄美高の生徒ら
「黒糖焼酎の日」の10日、奄美市名瀬の奄美高校は地元の酒造会社の担当者を講師に招いた黒糖焼酎に関する講座を開いた。生徒たちが奄美の伝統文化であり、重要な産業でもある黒糖焼酎について理解を深めた。同校では来年の創立100周年に合わせて、黒糖焼酎等のラベルデザイン開発など、業界の活性化に一役買うとともに、対外的な学校のPRにもつなげたい考え。
県立奄美図書館研修室であった講座に、商業科・情報処理科の3年生約70人が受講。奄美大島酒造㈱の吉元信営業部長が「酒類」や「本格焼酎」「黒糖焼酎」の定義、また奄美における黒糖焼酎の歴史、常圧・減圧蒸留による製造や味の違いなどについて、配布資料をもとに説明した。
吉元さんは「黒糖焼酎は奄美群島のみで造られており、世界的に見ても原料(コスト)が非常に高く、貴重なアルコールということを知ってほしい」と強調。また国内のシェアはわずか2%であるとし、「みなさんが島外に出た際は、ぜひ周りにPRしてほしい」などと呼びかけた。
未成年でアルコールをまだ口にしたことのない生徒らに、「最初の飲み方で、その後の飲み方も決まると言われる。一番最初にお酒を飲む時は、楽しい時に飲むようにして」とアドバイスも送った。
商業科3年の山下隼平君(17)は「きょうが『黒糖焼酎の日』であることは新聞を読んで知っていたが、奄美群島だけで造られていることなど、より詳しく知ることができた」と話していた。
同校によると、講座は課題研究の一環。19日と20日にも外部講師を招き、「ビジネスプランニング」や「ラベルデザイン」「商品の企画開発」などをテーマに学習する。中間報告(夏期)を経て9月下旬~12月頃、生徒による最終報告会を実施。発表の中から優れた作品を選出し、「創立100周年記念黒糖焼酎」や「リキュール商品」のラベルに採用し、他の商品とともに学校のPRに活用するという。