徳之島ダムも見学

7月に「畑かん通水式」を行う徳之島ダムを見学する亀津中1年生たち=11日、天城町
徳之島ダム提体底部につながる「監査廊」の見学も

「島の農業楽しくなりそう」
亀津中1年・フィールドワーク学習

 【徳之島】徳之島町立亀津中学校(芝原睦美校長)の1年生83人の島内「フィールドワーク学習」が、11日から1泊2日の日程で始まった。7月21日の「畑かん通水式」で本格通水に入る国営かんがい排水事業徳之島用水地区「徳之島ダム」(貯水量730万㌧)=天城町=も見学。干ばつに左右されない高単収・高収益農業に期待が高まる農業水利施設の今も学んだ。

 集団生活に必要な行動や規律、グループ活動での相互協力や思いやりの心を身につけながら徳之島を探検、ふるさとの素晴らしさを再確認する1学年の恒例行事。午前8時すぎ大型バス2台で学校を発ち、伊仙町「なくさみ館」やヨヲキ洞穴遺跡、犬田布岬、天城町の製茶工場や徳之島ダム、ユイの館を見学。宿舎の同町与名間「サンセットリゾート」へ。

 徳之島ダムでは九州農政局徳之島用水農業水利事業所側が、同島は耕地面積が6880㌶と群島中最大(約40・7%)だが農業産出額は約65億円と、花き栽培が盛んな沖永良部島(4480㌶)の約81億円に及ばない現状も説明。ダム通水による畑かん整備 (受益対象面積約3500㌶) の推進によって、6月下旬~10月下旬の干ばつの解消や単収増(例・サトウキビ・ローズグラスは50%増)、高収益品目の導入条件も整うことなどを分かりやすく解説した。

 このあと3班(組)に分かれて、ダム貯水や通水を一括監視・制御する徳之島用水管理所、北部と南部両調整池への用水機場(ポンプ設備)、ダム提体(高さ約50㍍)底部を点検するトンネル「監査廊=ろう=」などを見学。生徒の福山龍斗・鈴木凪・久原慶斗君らは「ダムは広くてきれい。監査廊は涼しくて気持ちがよかった」「島の農業が楽しくなりそう。収益が上がって商店街とか島全体が活性化されてほしい」と期待を込めた。

 12日は九電の新徳之島発電所(天城町)や徳之島町郷土資料館も見学後、学校に戻ってワークシートをまとめる。