本格ミステリ大賞に

本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞した鳥飼さん

160513本格ミステリ大賞
受賞作『死と砂時計』

奄美市の鳥飼さん受賞
『死と砂時計』小説部門で

 12日に行われた第16回「本格ミステリ大賞」(本格ミステリ作家クラブ主催)で、奄美市の鳥飼否宇さん(56)=本名・鳥飼久裕=の『死と砂時計』(東京創元社)が小説部門で大賞を受賞した。授賞式は6月25日、東京で行われるという。

 鳥飼さんは福岡県出身で、2000年に奄美大島に移住。日本推理作家協会会員で、同クラブの理事も務める。奄美市を拠点に創作活動に取り組む傍ら、NPO法人奄美野鳥の会会長として、自然保護活動などにも取り組んでいる。 

 受賞した作品は世界各国から集められた死刑囚を収容する「ジャリーミスタン終末監獄」が舞台。その監獄の中で起こる事件を囚人らが解決していくという本格ミステリの連作短編集となっている。

 「死刑囚を集めた特殊な世界設定の中で、考えを巡らせて作ってきた連作。こうした変わった設定が評価されたのでは」と鳥飼さん。同賞は年間における本格ミステリの最優秀作品(小説、評論・研究)が対象。クラブ会員同士で投票して大賞を決めるといい、12日は鳥飼さんも理事として開票式に参加していたという。

 鳥飼さんは「目の前で票が数えられるというのは緊張し、開票が終わるとうれしいという気持ちよりもまずはほっとした。会見や打ち上げなど時間が経過して喜びを実感し始めた。同じジャンルの作家仲間にこうして評価されたということは本当にうれしい」と話した。