喜界町で群島議員大会

ミカンコミバエの早期根絶・防除に向けた対応に向け、一丸で取り組むことを確認した奄美群島議会議員大会

ミカンコミバエ根絶へ一丸
離島間路線開設要望も

 第59回奄美群島市町村議会議員大会(群島市町村議会議長会主催)が19日、喜界町体育館であった。各地区と議長会が提出した8議題を採択、奄美群島の地方創生の取り組み推進やミカンコミバエの早期根絶に向けた対応など、17項目を決議した。奄美群島の自立的で持続可能な発展実現に向け、全力を尽くす―との大会宣言も採択した。

 12市町村の議員や首長など約200人が出席。審議に先立ち、喜界町の川島健勇町長が歓迎のあいさつ。来賓祝辞ではミカンコミバエ問題について言及があり、鎮寺博人大島支庁長は「問題の収束まで協力をお願いしたい」、伊集院幼大島郡町村会会長は「発生した奄美大島のみならず、群島全体で解決すべき課題」と一丸となった対応を訴えた。また、永井義章、向井俊夫=以上奄美市区=、禧久伸一郎、林健二=以上大島郡区=、福司山宣介=鹿児島市・鹿児島郡区、伊仙町出身=の5県議が県政報告を行った。

 提出議題は①喜界高校への特別支援学校高等部の分教室、特別支援教室の設置②奄美群島航空運賃低減の拡充③国道58号勝浦~阿木名トンネルの早期実現④関西~徳之島間のLCC航空路線開設⑤定期航空路線の開設⑥複式学級におけるICTの導入⑦産科医・小児科医が常駐していない離島地域への出産支援事業費補助制度の拡充⑧ミカンコミバエの早期根絶・防除に向けた対応―の8項目。

 議長会が提出したミバエへの対応では、「誘殺数ゼロが続いているが、寄生果実の確認や今後の気温上昇に伴う活動活発化が懸念され、予断を許さない状況」として、▽対策に要する人員体制や予算の確保▽根絶後の再侵入やまん延防止対策、初動体制の検証▽移動制限対象果実、果菜類の生産農家への十分な損失補償▽加工・流通業者への支援▽風評被害対策―など、8項目に渡る対策を要請した。提出議題について各県議から県当局の意向などが説明された後採決があり、全8議題を採択した。

 決議は地方創生の取り組みやミカンコミバエ対策のほか、▽「奄美・琉球」の世界自然遺産登録推進▽奄美群島振興交付金の充実・拡充▽奄美群島成長戦略ビジョンに基づく各種施策の推進▽道路・港湾・空港など交通機関の整備・充実―など。

 大会終了後は議員研修会があり、外交評論家の加瀬英明氏が「激動する世界情勢の中で日本はどうあるべきか」をテーマに講演した。