ノネコ侵入防止の「水際対策」強化へ、自動撮影カメラを設置する関係者=25日、徳之島町
【徳之島】環境省徳之島自然保護官事務所は2016年度ノネコ対策事業で25日、アマミノクロウサギなど希少動物の生息密度が高いエリアへの侵入を監視する自動撮影カメラを島内20カ所に設置した。NPO法人に業務委託して週1回点検し、確認ポイントは捕獲わなを設置して対応。地元行政の野良猫や飼い猫対策とも並行、「水際対策」強化に乗り出した。
同事業について同事務所(渡邊春隆自然保護官)側は「(徳之島の)山中に入り込んだネコは昨年度までにおおかた捕獲(計108匹)したと思われる」。このため山中でのモニタリング・捕獲を継続しつつ、クロウサギなどの密度が高いエリアへの侵入を監視して「水際防止」強化が目的。
設置作業には点検業務の委託を受けたNPO法人徳之島虹の会会員ら約10人も協力。クロウサギなどの生息密度が高い県道松原―轟木線や天城岳登山口、与名間―手々林道、林道・山くびり線入口、井之川岳登山口、犬田布岳入口―など計20カ所に自動撮影カメラ(赤外線撮影機能付き)を設置した。
14年度12月以降のノネコ捕獲効果について渡邊自然保護官(30)は、センサーカメラによるクロウサギの撮影やルートセンサスでの確認頻度の増加、ネコによる捕殺とみられるクロウサギ死体確認数の減少などを強調。「3町による野良猫対策など供給源対策と並行。ネコ問題は飼い主一人ひとりが適正飼養をしない限り解決には至らない。室内飼育や遺棄防止を呼び掛けたい」。
◇
一方、野良猫対策では14、15年度に公益財団法人どうぶつ基金が無料不妊化手術などTNR事業で計1620匹(飼い猫含む)に施術(3種混合ワクチン接種込み)。16年度からは同基金側の継続を休止させ、徳之島3町は地方創生加速化交付金(総額3153万8000円)の対策費を確保し、年度内600匹以上の捕獲・施術を目標に取り組んでいる。
町関係者によると、各家庭での飼い猫であっても、各町への飼い猫登録と施術済みを示す耳先へのV字カットを条件に、同対策費を充当した無料施術(3種混合ワクチン接種代別)を受け付けるという。