東京沖洲会総会・敬老会

300人を越える人たちが参加した東京沖洲会の様子(上)、上手な詩吟を披露した古賀仁君と至君兄弟は拍手喝采を浴びていた(下)=東京都品川区大井町の「品川総合区民会館」きゅりあんにて

新会長に中野勲さん
懐かしい言葉飛び交う

【東京】関東で“最長老”を誇る「第103回東京沖洲会総会並びに敬老会」が29日、品川区総合区民会館「きゅりあん」でにぎやかに開催された。会場には、和泊校区、城ヶ丘校区、知名校区、下平川校区、住吉校区、国頭校区、田皆校区から総勢約300人が参加、懐かしい言葉が飛び交う中、総会と沖永良部出身の歌手、漫才師らが出演した懇親会を楽しんでいた。

久しぶりの対面で懐かしの言葉が飛び交う中、式次第が進行。第一部の総会では、平山芳孝会長が、東中野の日本閣、市ヶ谷のアルカディアなどで開催されてきた同会のことを振り返りながらも「品川で生活したこともある私にとって、今日ここで総会ができたのは何かの縁を感じる」と感慨深げに話し「昨年10月にあった東京奄美会の運動会で、沖洲会と与論会のチームがみんなの力を結集し優勝できたのは本当にうれしかった」などと、退任に当たって振り返った。続いて役員選考委員長の竹林学さんから次期役員人事について「全員で次期会長にふさわしいとの意見が一致した」の経過報告の後、中野勲会計長が、新会長に選任されたと報告。

新会長に就いた中野さんは、「自分は小さい体だが、103年の重さを受け止めて島のために、役員、会員の方々と共に頑張っていきたい」と、緊張な面持ちで語った。なお会計長に新納豊さん、幹事長に大坪芳徳さんが新任で当たることになったほか、副会長、監査らは留任で選出された。続いて会計報告があり、その後、敬老者紹介およびお祝い金の贈呈。各校区の敬老者が一人ずつ紹介され、元気な姿を出席者に見せていた。

また、内閣府地方創生推進室の塩田康一参事官ら41人の来賓が列席。和泊町の前田修一副町長、元栄吉治知名町長代理、東京奄美会森真一会長が、それぞれあいさつをした。元栄代理は、「戦後の貧しい中で、沖洲会を保ってこられたのは、役員、会員の努力があってこそ」との町長の謝辞を紹介。続いて「9月で町制70周年を迎え、11月に式典、祝賀会を行う」と報告され、公式キャラクターの”ちなボー”のPRもしていた。

第二部は、沖永良部出身の歌手らによる懇親会。国頭の子どもと、敬老者のハーモニカによる「ふるさと」でスタート。歌手の竿田美也子さんは、「みんな元気に生きて、100年も200年も先も頑張ってほしいとの思いを込めた」という「今飛び立とう」のオリジナル曲も歌い上げた。鹿児島と沖永良部出身の漫才コンビ、「ぼっけもん」も登場。沖永良部をネタに「沖縄に近いのと魚のブダイ」「西郷隆盛さんにお礼をもらった時、小さいのか、大きいのかを選んだ」と笑いを誘っていた。11年前から広島でライブ活動をする歌手の大山百合香さんもステージへ。透明感のある歌声で「永良部の子守唄」などを熱唱した。

大山さんは、沖永良部の魅力を「ライブなどで沖縄から船で7時間と話すと驚かれるほど遠い島ですが、遠いからこそ魅力ある。人情あふれる島。花と人情の島」と語っていた。 ほかにも、”八重山広め隊員”としても活動する、米盛美智子さんの「やいま舞踊」なども披露され、出席者は、耳と目とおいしい酒で酔いしれていた。東京沖洲会は、1913(大正2)年に設立。東京 及び近県在住の沖永良部出身者・縁故者で組織され、会員相互の親睦を図ることを目的としている。