「アメリカハマグルマ」駆除

緊急対策外来種の「アメリカハマグルマ」

160604外来種駆除(エコツアーガイド連絡協議会) (3)
根が強く、一つの株も数人がかりで駆除作業

緊急対策外来種「認識広がって」
エコツアーガイド連

 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会(喜島浩介会長)は4日、奄美大島北部と南部の2カ所に分かれて、外来種の駆除作業を行った。奄美大島北部チームは、奄美市名瀬の大浜海浜公園に広がる緊急対策外来種「アメリカハマグルマ」を中心に駆除。同会では「集落内にも生育しているはずなので、地元の人に外来種という認識が広がってほしい」としている。

 同協議会では発足した2009年から特定外来生物「オオキンケイギク」などの外来種駆除に取り組んでいる。同公園のアメリカハマグルマの駆除は今回が初。同会関係者や環境省奄美野生生物保護センター、大島支庁、奄美群島広域事務組合など約80人(北部約50人、南部約30人)が参加した。

 環境省によると、アメリカハマグルマはキク科の多年生植物で年間を通じて草体が繁殖するもの。1970年代に緑化用として沖縄諸島各地に導入されたものの、あまりにも繁殖力が強く、在来植物の生育に大きな影響を与えている。そのため、生態系被害の甚大性や生物多様性の保全状重要な地域への影響から特に緊急性が高く、積極的に防除を行う必要がある緊急外来種に選定されている。

 奄美大島でも各地にアメリカハマグルマは繁殖しており、奄美の在来種である「キダチハマグルマ」も侵食するほど、繁殖力は強い種。同公園には公園化する際に人為的に植栽されたという。

 喜島会長は「最近では観光客から『これは外来種じゃないか。なぜあるのか』と指摘を受けることもあり、外来種に対する認識が広がっている。世界自然遺産を目指す島としてあってはならないもの。大浜は多くの観光客が訪れる場所で、目立つということもあり、市の許可も得て駆除を行った」と語った。

 深く根付き、地中で複雑に根が絡むアメリカハマグルマの駆除は力と根気がいる作業。同公園でも一つの株を数人がかりで掘り起こしたり、引き抜いたりしながら駆除に臨み、軽トラック3台分のアメリカハマグルマを駆除した。

 奄美野生生物保護センターの鈴木祥之上席自然保護官は「アメリカハマグルマは森の中で見かけた方が危険度は高い。見かけたら駆除するか、センターに連絡してほしい」と呼びかけた。

 外来種などに関する問い合わせは同センター電話0997‐55‐8620まで。