奄美プラム島外出荷、初セリ

産地からのメッセージを伝える伊集院村長

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制限区域解除後、初めてのセリにかけられた奄美プラム

奄美産農産物の安心・安全発信
JA県経済連、鹿児島市場で 試食など販売PRも

 【鹿児島】JA鹿児島県経済連は4日、鹿児島市東開町の中央卸売市場青果市場で、奄美プラム(スモモ)の初セリ会・宣伝販売会を実施した。昨年、奄美大島でミカンコミバエが侵入し、果樹品目の移動制限区域となって以降、初の出荷、セリとなり「プラムをきっかけにして、奄美産農産物が安心・安全であることを全国にPRしたい」(伊集院幼・大和村長)と関係者は意気込んだ。

 ミカンコミバエの侵入によって昨年12月13日以降、農水省の省令によって奄美市笠利町の一部を除く島内全域(加計呂麻島、請島、与路島含む)が、特定移動制限区域に指定されていた。同区域内で生産された移動制限対象品目の島外移動は禁止されていたが、4月27日に制限区域が解除され、移動検査を受けて合格した品目の島外移動が可能になった。6月に出荷のピークを迎えるプラムが、他の品目に先駆けて島外市場に出荷されることになった。

 「生産者の皆さんはやきもきしながらこの日を待ちわびていた」と伊集院村長。「これをきっかけにして、奄美大島の良いもの、美味しいものを島外の人に届けていきたい」と産地からのメッセージを伝えた。伊集院村長や伊藤祐一郎知事、市場関係者らで試食した後、早速セリが始まった。

 今回は1箱3㌔、26ケースが持ち込まれ、3L4000円、2L3000円などの値段がついた。3Lの値段が昨年と比べ1千円高かったことについて、県経済連園芸事業部果樹花き課の妙圓園毅課長は「品質が良かったのと、産地に頑張ってほしいという気持ちが込められていたのでは」と話す。プラムは6月上旬から下旬にかけて約20㌧が出荷される予定で、このうち半数の約10㌧が鹿児島市場に出荷されるという。

 中央卸売市場青果食品協同組合の栫井健一郎理事は、「味は例年と変わらない」と試食の感想を話し「店先では興味を持った人に試食を勧めてみるなどで、PRしたい」と話していた。