奄美大島 水産業推進協を設立

水産業の活性化について委員は意見を交わした

海洋学科創設軸に

 奄美大島の4市町村で構成する「奄美大島水産業推進協議会」が6日、設立・設置された。同日、瀬戸内町古仁屋のせとうち物産館会議室で第1回会合を開き、各自治体の漁協と行政が連携した組織体制を発表。同町古仁屋の古仁屋高校(松ケ野健校長)に海洋学科創設による人材確保、島外への販路拡大など水産業の振興策を今後、検証していくことで一致した。

 この日は4漁協、自治体(奄美市、瀬戸内町、龍郷町、宇検村)担当課、養殖事業者、古仁屋高から出席した16人に委員の委嘱状を交付。会長に茂野拓真瀬戸内漁協組合長を選任した。

 事務局の同町水産振興課によると、奄美大島総合戦略の中で水産業振興は重点テーマに挙げられており、今回の協議会発足は「雇用創出」と「人口流出抑制」を目標とした新たな戦略を図るもの。海洋学科創設は島内での人材育成と供給拠点と位置付け。それを軸として水産業への人材供給、それに伴う雇用創出へと発展させる循環型プロジェクト構想について事務局と委託先の機関から説明があった。

 今年度は、現状分析とニーズ調査を計画。沖縄など島外の販路拡大の可能性を検証する。また学科創設については、島内の中学3年生と保護者、関連事業所など約1200人にアンケートを実施し、要望を把握する。

 意見交換では、委員から「県立高校の新科創設は県側の意向確認も必要」「若い世代が就業に魅力を感じる展開が重要」などの声もあった。

 茂野会長は「関係機関と協力して水産振興戦略の構築に取り組みたい」と話した。

 協議会は今後4回開催。調査報告を踏まえながら、実現可能な事業に向けて策定作業を進める。第2回会合は8月を予定している。