パッションブランド産地協設立

鎌田愛人町長=左=にパッションフルーツを贈呈した瀬戸内パッションブランド産地協議会の宮原会長と夫人の京子さん

地域ブランド確立へスタート ハイレベル基準設定も
瀬戸内町

 瀬戸内町内のパッションフルーツ農家による「瀬戸内パッションブランド産地協議会」(宮原仲清会長、23戸)が先月、設立した。ミカンコミバエ問題の動向が懸念された中、生産者らは今期産の出荷に影響がないことを信じて、生産に取り組むとともに、並行して協議会設立やブランド化に向けた会合を重ね、「瀬戸内パッション」の定義としてハイレベルな基準も設定。地域ブランド確立へ新たなスタートを切った。

 7日に宮原会長が同町を訪問。鎌田愛人町長に協議会設立を報告するとともに、今期産のパッションフルーツを町へ贈呈。今年もかごしま農林水産物認証制度(K―GAP)認証(特別栽培農産物)を取得できたことなども報告した。

 宮原会長(66)は「ミカンコミバエの問題では行政、町民のみなさんにも心配をかけたが、私たちは必ず出荷できると信じて一生懸命、生産に取り組み、無事に収穫期に入れた。その報告とお礼を兼ねて町長らにも瀬戸内町のパッションフルーツを味見していただき、今後、行政としても自信をもって特産品をPRしていただけたら」と述べた。

 鎌田町長は「瀬戸内町のパッションはかねてから皇室献上で知られ、大変質もよく安心安全なパッションだと思っている。ミカンコミバエ問題も乗り越え、今年度も島外に出せる(見通し)ということでうれしく思う。今後も協議会を中心にブランドが確立され、瀬戸内パッションが全国に知れ渡るように頑張っていただきたい。行政としても応援していく」と激励した。

 同協議会設立の過程では生産者らが8回程度の会合を開き、ブランド化に向けた名称(瀬戸内パッション)やキャッチコピー(安心・安全・情熱・丁寧 真面目で美味しいパッション)、セールス文、化粧箱等のデザインなどについて繰り返し協議を重ねた。

 瀬戸内パッションの定義として、①大島地域施設パッションフルーツ栽培基準に準じて栽培②エコファーマー認定、K―GAP認証を取得している③瀬戸内町皇室献上パッションフルーツ産地認定を受けている④瀬戸内パッション出荷基準・出荷規格に基づき出荷・販売する―など厳しい基準を設定。地域ブランド確立へ生産者の本気度・覚悟が込められた。