奄美市健康増進課内に設立した「子育て世代包括支援センター」。専任助産師の向田さん(写真中央)や、保健師が子育て等の相談に対応している
奄美市では少子化対策につながる子育て等支援の取り組みの一環として、今年度から健康増進課(本庁舎1階)内に「子育て世代包括支援センター」を設置。専任の助産師を配置し、子育て等にかかる様々なニーズへの支援を行っている。妊娠・出産・産後・育児まで切れ目ない支援の体制を強化することで、子育てに関する不安や負担の軽減を図り、少子化進展の歯止めにもつなげたい考え。
同市が地方創生関連事業の一つに位置づける、今年度の新規事業。「センター設置」と言っても新たに建物を建てたのではなく、市役所内に看板を設けて専任の助産師を配置したもの。ただ専任の助産師を置くのは全国的にもまれという。事業費は264万円。
センターでは平日の電話相談、窓口相談に対応。相談内容としては▽妊娠・出産・産後の健康状態▽新生児期からの育児▽発育・発達▽子育て全般▽不妊―に関する相談など。
普段、市役所に相談をしたり、訪れる機会が少ない人たちでも、相談がしやすいようにと、「相談日」を毎週月曜日(午前8時半~午後5時)に設定。助産師や保健師が相談体制を整えているという。
専任助産師の向田めぐみさんは「新生児訪問などさせていただく中で、赤ちゃんの衣類の調節などのアドバイスのほか、母親たちからも『おっぱいを飲んだ後、なかなかゲップが出ない』、『赤ちゃんで体温36度は低くないか』、『夜泣きがとても激しいが正常か』など、いろいろな質問、相談が寄せられている。どんなささいなことでもいい。そのための専任助産師なので気軽に相談していただけたら」と利用を呼び掛けている。
同課保健師の徳永明子さんは、「本来は身近な親戚や地域の方々など多くの人が子育てに関わり、見守る環境が十分に整っているのが理想だが、特に名瀬地区などでは周囲に相談できる人が少なかったりして子育ての悩みや不安を一人で抱え込んだり、インターネットなどで調べて対処している母親も最近は少なくない」と同市の福祉課題を強調。「はぐくみ・育ち見守り隊の活動など、地域における出産、子育ての見守り体制構築にも取り組みながら、センターを機能させて子育てなどに関する母親たちの不安解消に努めていきたい。子育てしやすいまちづくり、ひいては少子化対策にもつながれば」と話した。
同センターへの電話相談は℡0997―52―1111(内線1153・1145)。