高倉の前で学生たちに説明する重山さん
大学生がフィールドワーク
住民から聞き取り、龍郷町へ提案
龍郷町の地方創生交付金を活用した「秋名・幾里魅力化プロジェクト」による芝浦工業大学(東京都)のフィールドワークが今年度からスタートした。7日に奄美大島入りした同大学学生らは、集落の魅力や要望などについて地域住民への聞き取り調査などを実施。今後も定期的に来島し、秋名幼稚園の改修案や地域活性化への提案などをまとめるという。
同プロジェクトは少子高齢化と人口減少が著しい秋名・幾里地区を、都市圏の住民目線で魅力を掘り起こすことで、地域活性化などを目指すことを目的にスタート。今回は、問題解決型のフィールドワーク実施のため、同大学建築工学科地域計画研究室のゼミ生ら5人と佐藤宏亮准教授が来島した。
学生らは初日夜に秋名・幾里集落の区長や集落の若者代表、婦人会など各団体から1人ずつ代表者を集め、聞き取り調査を実施。魅力のある場所や人などをマッピングした上で、8日から10日までの3日間かけてマッピングした地域や人を訪ねた。
最終日となった10日午前中は秋名集落の重山和麿さんを訪ねて、高倉や大島紬について聞き取り調査。重山さんが保有する高倉に実際に登りながら、高倉の歴史や役割、高倉保存への今後の意向などを訪ねる姿が見られた。
同プロジェクトは廃園となった秋名幼稚園の改修・活用法を考えることも目的の一つ。佐藤准教授は「調査の中で、幼稚園の跡地を使いたいという声もあった。今年度はこの調査で分かったことをまとめ、提案するところまでできれば。今後も早ければ1カ月後にはまた来島予定。少なくとも、アラセツ行事の時には来る予定」と語った。