移住希望者と中継トーク

来場者に魚を見せ、奄美での生活ぶりを語る才木さん夫婦

仕事や生活など情報発信
九州合同フェア 才木さん(瀬戸内町)夫妻出演

 NPO法人ふるさと回帰支援センターは12日、東京・有楽町の東京交通会館カトレアサロンで九州・沖縄8県合同による移住相談会「来たぜ!九州・沖縄!!合同移住フェア」を開いた。同会館と各地をライブ中継し現地からの声を直接届けるという初めての試み。奄美からは関東からIターンした瀬戸内町蘇刈の才木伸晃さん(49)、美貴さん(30)夫妻が出演して仕事や生活について体験談を語った。

 イベントは「東京にいながら各県のリアルを体験」が目的。今回企画を担当した、同NPO鹿県移住交流相談員の川口塔子さんによると、移住希望者が興味のある地域の魅力や移住する上での心構えなどを相談できる場との位置付けという。

 県内からは瀬戸内町、鹿児島市、南九州市在住の夫婦2組を含む4組が参加。会場の中継ブースに置いたパソコンと搭載カメラを通じて、来場者と互いに顔を見合わせながら、1組当たり1時間ほど会話。今年2月から同町に住む才木さんたちは、長崎県出身で関東在住の女性から奄美のライフスタイルについて質問を受けた。

 「魚や貝類は近くの海で釣ったり、採ったりします。野菜は集落の方からもらうことも多い」「仕事は真珠養殖業。体を使うことが多く、次の日の段取りなどで毎日忙しい」などと現状を回答。画面の前に地魚やカボチャなどの野菜を見せ、女性を驚かせた。その一方、「都会に比べ、仕事は決して多くない」「賃金も半分以下になることを覚悟した方がいい」と率直な意見も話した。

 同町地域おこし協力隊に今年度委嘱された美貴さんは「奄美に限らず甘い考えで移住するとその後、挫折する可能性が高い」と指摘。その上で「よその土地で暮らしていくには、『これだけは譲れない』という気持ちの支えになる何かを持つことが大切」と話しエールを送った。

 川口さんは近年、移住希望者が増えていることに触れ、「奄美大島は注目度が高い。今後も様々な情報発信を図り、移住促進に努めたい」と語った。