小さなブースから「奄美の世界」発信

奄美新聞で作ったエコ袋

身近なものを大島紬を使用して作成。
身近なものを大島紬を使用して作成。「手作り作品で奄美を感じて」とPR

輝美さんら奄美出身者の面々
「手作り作品で奄美を知ってね」と小さな横断幕には「奄美大島から世界へ」の文字。岩淵輝美さんら奄美出身者の面々=東京都荒川区日暮里サニーホールにて

「あらかわてづくり市」出品
奄美出身の岩淵輝美さんら

 【東京】東京荒川区のホテルラングウッド4階日暮里サニーホールで11日、「「第5回あらかわてづくり市」(荒川区芸術文化振興財団主催)が開催された。奄美出身の岩淵輝美さんらが参加、手作りの品物を通じて島の魅力をPR[していた。

 参加したのは、岩淵さんと、娘の悠香さん、同じく奄美出身の花輪光子さん、村上律子さん、押川輝和さんの5人。80を超える出品ブースにまじって、初出品。高級品のイメージの大島紬を「気軽に使って親しんでもらうことで、多くの人たちに知ってほしかった」との輝美さんの思いがきっかけで出品することに。荒川区に縁のある、輝美さんが故郷にいる姉の潤朝代さんと西万里さんに作品の製作を依頼。この日のために4カ月をかけて準備した。がまぐち、エプロン、わらじなど、身近な製品に大島紬をあしらって製作、猫の遊び用のクッションにはマタタビと鈴を入れる凝りよう。  

 また、桜とどんぐりを使ったアクセサリーにもさりげなく紬が使われている。ほかに、タニワタリ、ペペロニアの苔玉や、森の実や貝殻をあしらったフォトフレームなど、奄美の自然を感じられる品々がテーブルを埋め尽くしていた。  

 さらに、「好運を呼ぶますように」(花輪さん)と、全長2㍍以上にもなる金ハブの剥製が飾られた。出品された約40点を、訪れた多くの人たちは足を止めて、興味深く手にしていた。

 特徴的なのは、そんな商品を入れる紙袋が、本紙・奄美新聞を使って用意されたこと。奄美から取り寄せた本紙をエコに利用。見開きの全紙1枚と、半分を器用にノリ付けして、青い紐を通し、二つの種類の紙袋に加工されている。村上さんは「奄美をさらに知ってもらえたらとの思いで作りました」。悠香さんも「細かい部分に気を使いながら、だいたい7、8分で一つを完成させました」。50袋ほどの奄美新聞特製紙袋の”製作秘話”を明かした。ほどなく、4足用意された島ぞうり(1000円)は、完売。

 横2㍍、縦1㍍ほどの小さなブースのスペースから発信された〝奄美の世界〟。輝美さんは、「いずれはインターネットでの販売などをしたい」と、奄美の手作り商品をさらに広げようと、意欲を燃やしている。