県内離島に初出店したファミリーマート。商品を求めるお客で混雑した
㈱南九州ファミリーマート(久保裕之社長)は15日、奄美市と徳之島町にそれぞれ「ファミリーマート名瀬港町店」「ファミリーマート亀津南店」をオープンした。鹿児島県の離島地域へファミリーマートの出店は初。2店ではこれまで離島地域で流通していなかったファミマ独自の商品を求め、多くの人でにぎわった。
奄美地域への出店は、昨年12月に発表された㈱ファミリーマートと㈱ココストアの合併に伴うもの。南九州ファミリーマートは同月以降、ココストアとエブリワンの名称で展開していた鹿児島と宮崎両県の店舗を順次ブランド転換を進め、県内離島の12店舗(奄美大島6、徳之島4、種子島2)も対象となっていた。
2店舗では一部のチルド商品などを除き、エブリワン時代の店内調理を生かして弁当や調理パンなどを提供する。陳列棚にはプライベートブランド「FamilyMart collection」の各種商品や「無印良品」など、商品の種類は従来の約1・5倍を確保した。
店内には住民票や航空券などが取得できるマルチメディア情報端末「Famiポート」が設置され、全国共通のサービスを提供できるほか、鹿児島銀行のATMも設置し、住民の利便性向上に努めている。また、台風など自然災害に備え、保存可能な商品については、約1週間分を備蓄できるよう調整している。
奄美市の名瀬港町店では、開店予定の午前7時前から多くの人が押し寄せ、同6時過ぎにオープンした。店内は午前7時頃、商品を搬入するスタッフと商品を求めるお客さんで混雑した。
パンやコーヒーなど朝食を購入した奄美市名瀬の井上康太郎さん(39)は、「エブリワン時代の調理品を残しつつ、ファミマ独自の商品も楽しめる。奄美大島は24時間営業の店舗も少ないので、夜間時は特に助かる」と話した。
久保社長は「離島地域への出店は会社の悲願であり、多くの島民に喜んでいただき感激している。店内で調理することで安心・安全な商品を提供できることが特徴。今後も離島地域のブランド転換をしっかり進め、『また来たくなる』店舗を目指して離島の皆さんに貢献していく」と述べた。
今後の奄美関連のブランド転換予定は、▽29日=名瀬平田店、天城店▽7月6日=名瀬大熊店▽同13日=伊仙店▽同20日=名瀬朝仁店、亀津北店▽同27日=瀬戸内店▽8月3日=龍郷店となっている。