ウミガメ衛星発信機による追跡調査スタート

龍郷町安木屋場海岸で、発信機を付けて放流されたアオウミガメ=提供写真=

龍郷町安木屋場海岸で放流
生態解明に向けて

 奄美大島に上陸するウミガメの生態解明に向けて行われている衛星発信機による追跡調査。16日には、今シーズン初めてなる発信機を装着したウミガメを放流した。今シーズンは6個の発信機を装着予定。16日はウミガメに関心のある地元住民や観光客らが見守るなか、発信機を装着したアオウミガメが海に帰る姿を見送った。

 追跡調査を行う奄美海洋生物研究会(興克樹会長)では、ここ数年、奄美大島に上陸・産卵するアカウミガメとアオウミガメに衛星発信機を装着した追跡調査に取り組んでいる。今シーズンもハワイのウミガメ研究者、ジョージ・バラーズさん(米国大気海洋局)が6個の発信機を提供。龍郷町安木屋場海岸を中心に、1カ月かけてアカウミガメ3頭、アオウミガメ3頭に装着を予定している。

 発信機はウミガメが呼吸のために海面に顔を出した際、電波を発信する。外れなければ約2年間のデータが取れるほどの充電があるといい、昨シーズン発信機を付けたウミガメのうち、1頭のアカウミガメは現在も電波を受信し続けているという。一方で、アオウミガメは自分で甲羅を岩などにこすって掃除する習性があることから、発信機が長く持たないことが難点でもある。

 16日に放流したアオウミガメは17日現在、しっかり電波を受信しているという。興会長は「アオウミガメは長くて1カ月ほどしか持たないが、それでも貴重なデータが取れる。アカウミガメについてもこれまでの調査で東シナ海側に行く個体がいることは分かっているが、南の方に行く個体はいないのかなどが分かれば」と語った。