田中(大島)、インターハイへ

女子走高跳で南九州覇者に

 陸上のインターハイへの最終予選となる2016年度全九州高校総体陸上南九州地区予選大会最終日は19日、宮崎市のKIRISIMAハイビスカス陸上競技場であった。

 奄美勢では女子走高跳の田中彩乃(大島)が1㍍64で優勝した。

仲間に感謝 「気持ち」で勝利
南九州陸上 田中(大島)

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表彰台の一番高いところに上がり、ポーズを決める田中(左端)=KIRISIMAハイビスカス陸上競技場

 田中彩乃(大島)の笑顔が、表彰台の一番高いところで輝いた。

 雷雨のため競技開始が2時間以上遅れた。競技が始まっても、度々雷で競技が中断する。「順延になったら嫌だな」と心配したが、おかげで「緊張が解けました」。

 1㍍45から跳び始めて50、55、58は一発でクリアする。インターハイ出場の6位以内に入るためには58がラインだと想定していた。勝負所を迎えて再び緊張感がもたげたが「みんなが応援してくれたことを思い出して、強い気持ちで跳べた」。

 島を出るときは大高陸上部をはじめ、大勢の仲間が激励に駆けつけてくれた。試合の朝もラインで多数の激励のメッセージが寄せられた。「みんな私が緊張することを知っているので、『技術よりも気持ちが大事』と何度も自分に言い聞かせることができました」。会場で実際に応援したのは監督と母親だったが「大高陸上部27人全員で勝ち取った優勝」と胸を張って言い切れた。

 昨年の九州新人は七種で出場したが、県外のレベルの高さを痛感した。最終学年の今年、着実にインターハイ出場を決めるために、七種を捨て、得意種目の走高跳1本に絞った。それが功を奏して「南九州覇者」という最高の称号でインターハイの切符を勝ち取ることができた。田中にとっては初めてにして最後のインターハイ。「自分の力がどこまで通用するか、チャレンジするつもりで、あと1カ月とちょっと、部活を頑張りたい」と夢の全国への思いを馳せていた。
(政純一郎)