参院選がスタート

多くの支持者が詰めかけ、選挙での必勝を誓った鹿児島選挙区の出陣式(22日午前9時45分頃、鹿児島市・一部加工)

鹿児島選挙区4氏立候補 「アベノミクス評価」など争点
投票率注目 18歳選挙権が初適用

 第24回参院選挙は22日公示され、鹿児島選挙区(改選1議席)には現職1人、新人3人の計4人が立候補を届け出た。4人の候補者は選挙戦初日から、安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」の評価をはじめ、様々な争点で舌戦を展開。7月10日の投開票に向けて18日間の戦いをスタートさせた。23日告示される鹿児島県知事選とのダブル選や、18歳選挙権の初適用に伴う投票率の推移も注目される。

 立候補を届け出たのは自民現職の野村哲郎氏(72)と、いずれも無所属新人で連合鹿児島事務局長の下町和三氏(56)、政治団体幸福実現党の松澤力氏(34)、元会社員で無職の坂田英明氏(45)の4人=届け出順=。3期目を目指す野村氏と、民進、社民、共産の3野党の統一候補である下町氏との与野党対決に松澤氏、坂田氏が絡む構図。

 届け出受付は午前8時半から鹿児島市の県庁講堂であり、それぞれの陣営は「選挙の七つ道具」は受け取ると、急ぎ出陣式の会場へ。4人の候補者は午前9時過ぎからいずれも大票田の鹿児島市で第一声をあげた。

 今回はアベノミクスに対する評価と景気回復の政策をはじめ、国の安全保障や、TPP、若者の雇用・子育て、労働環境の改善など様々な争点が問われている。また18歳選挙権の適用や、鹿児島では12年ぶりとなる県知事選とのダブル選など注目点も多い選挙となっている。

 一方、選挙区は県内全域と広く、奄美地方を除いた県本土は今後も梅雨の期間が続くため、各陣営は天気予報も踏まえた日程の調整に苦慮。18日間という限られた期間でより効果的に活動し、どれだけ幅広い支持を得るか、陣営ごとの選挙戦略も重要になりそう。奄美入りは現在のところ3陣営が予定。主戦場は県本土となる。

 各候補者の主な公約は、▽野村氏=アベノミクスの継続で景気の好循環を地方まで波及、農林水産業など産業振興、国の安全保障の充実▽下町氏=安保関連法の廃止、TPPから食と農業、暮らしを守る、働き方などによる格差是正▽松澤氏=消費税減税で景気回復、国防の強化、若者の雇用・子育て支援の充実▽坂田氏=消費税廃止、中抜き規制の整備、TPP撤廃―など。

 参院選の期日前投票は23日(午前8時半~午後8時)から県内各市町村の指定された期日前投票所で行われるが、同日告示される県知事選の期日前投票は24日から。23日は知事選の期日前投票を行うことはできないため、注意が必要。なお奄美市の期日前投票所は港町仮庁舎と笠利総合支所、住用総合支所の3カ所。増設分の笠利・住用は時間が午後6時までとなっている。投票は7月10日。奄美12市町村は時間が午前7時から午後6時(瀬戸内町の一部地域は終了時刻が繰り上げ)。また瀬戸内町の請島、与路島など県内一部の地域は9日、繰り上げ投票が行われる。