潜水士らが海中に入り、検証も行われた
龍郷町赤尾木東海岸で調査
奄美海保
奄美海上保安部などは1日、龍郷町赤尾木の東海岸で、遊泳中の事故原因の一つにもなっている離岸流に関する調査を行った。波打ち際から、黄緑色の着色料を流し、離岸流の動きを確認した。
調査は、鹿児島大学水産学部・西隆一郎教授と合同で実施された。「シーマーカー」と呼ばれる着色料を散布し、その流れを確認。また、巡視船あまぎ潜水士らが海に入り、漂流検証を行ったほか、ドローンによる上空からの動画撮影も行うなど、様々な角度から離岸流の動きを調査した。
離岸流とは、波打ち際から沖に戻ろうとする際に発生する、一部の速い流れのこと。発生規模は、幅が10㍍~30㍍、沖への長さは数10㍍から数100㍍。離岸流の速さは毎秒約2㍍になることもあり、オリンピック出場の水泳選手に匹敵する速さだという。
同海岸と比較的近い場所では、昨年奄美市笠利町土盛の海岸で遊泳していた女性が1人、一昨年には、同町土浜でも遊泳中の男女2人が死亡する水難事故が発生した。
遊泳する場合の注意点として、西教授は「少しでも高いところから海の様子を見たり、浮遊物を流してみるなどして流れを確認する方法などがあるが極力、その場所を知る地元の人に聞いて欲しい」と呼びかけた。
同保安部の田中宏明交通担当次長は「離岸流はどこの海でも発生する可能性がある。流されても慌てず、岸と平行に30㍍ほど泳げば、脱することができる。また、いつの間にか流されていることに気付きにくいので、陸との距離を把握することが大切」と話した。