選挙戦最終日の9日、鹿児島市の天文館で街頭に立ち、有権者へ支持を訴えたダブル選の候補者
「最後までご支援よろしくお願いします」――。ダブル選挙の最終日となった9日、参院鹿児島選挙区と県知事選にそれぞれ立候補している6氏は、主に大票田である県都・鹿児島市で遊説、街頭演説。浮動票の上積みに向けて“最後のお願い”に声を枯らした。選挙期間中、主戦場となった県本土は毎日のように雨が降る悪天候。最終日も時おり小雨が降った中、各候補とも最後まで懸命に運動を続けた。
知事選に立候補しているのは、新人で元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏(58)と現職の伊藤祐一郎氏(68)の2人=届け出順=。
最終日、三反園陣営は終日、鹿児島市で遊説。天保山を皮切りに宇宿、新屋敷、吉野、照国など各方面をくまなく回り、〝最後のお願い〟を行った。午後6時頃、鹿児島中央駅でマイクを握った三反園候補は「トップが変わらないと変わりようがない。一緒に新しい鹿児島を作って行こう」と支持を呼びかけた。
伊藤陣営は鹿児島中央駅や天文館周辺を何度も選挙カーで往復し、不特定多数の有権者へアピール。伊藤候補は参院選に立候補している現職の野村哲郎氏(72)とともに午後6時から天文館で街頭演説。「県政というのは難しい。素人にはやれない。どうかこれからも私に任せてください」と訴えた。
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参院選鹿選挙区に立候補しているのは自民の野村氏と、連合鹿児島事務局長で無所属新人の下町和三氏(56)、政治団体幸福実現党新人の松澤力氏(34)、元会社員で無所属新人の坂田英明氏(45)の4人=届け出順=。
野村陣営は最終日、これまで行っていた街頭演説を控え、主に鹿児島市内で選挙カーでの遊説を中心に活動。最後に天文館でマイクを握った野村候補は「鹿児島は今後、大きく発展していくと確信している。成長産業となる農林水産業を支えていく」と力を込めた。
下町陣営は、午前中は薩摩川内市を皮切りに遊説をスタートし、伊佐市を巡り鹿児島市へ。「政治と暮らしを私たちの手に取り戻そう」と訴えた下町候補。午後からは「行け行け和三!GOGO下町!」の掛け声で天文館を練り歩き、有権者一人ひとりと握手を交わし、支持を訴えた。
松澤陣営は午前中に日置市などを回り、昼過ぎから鹿児島市の中心部を主に活動。天文館で数回に渡って街頭演説を行った松澤候補は「今の政治の在り方、税金の無駄使い。これを本当に続けていていいのか。国民のためにお金を使う政治を取り戻そう」と力を込めた。
公示直後から政党や団体に頼らない独自の選挙を戦ってきた坂田候補は最終日も、そのスタイルを崩すことなく活動。正午頃に天文館で街頭演説した坂田候補は「我々国民はずっと政治家にだまされてきた。そろそろ国民が立ち上がり国民主体の政治を」と訴えた。
県内一の繁華街である天文館はこの日も大勢の人出があり、周辺道路では参院選全国比例の候補も含め、多くの選挙カーが何度も行き交い、道行く有権者へ支持を呼びかけた。
最終日を迎えた参院選の候補者の1人は「18日間は本当にあっという間だったが、自分の政策や政治家としての思いは、出来る限り有権者のみなさんに届けられたと思っている」と選挙戦を振り返った