初当選の三反園氏会見

当選から一夜明け、選挙事務所で記者会見に応じた三反園氏

「鹿児島ここにありと示す」
民間出身知事誕生

任期満了に伴う県知事選挙は10日投開票され、「真・県民党」を掲げた三反園訓氏(58)=無所属新=が、現職を抑え、民間出身で初めての知事誕生となった。当選から一夜明けた11日午前10時、鹿児島市城南町の選挙事務所で合同記者会見に応じた三反園氏は、「鹿児島ここにありと示すため、一生懸命がんばりたい」と熱く語った。

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今回の選挙について三反園氏は「雨が降ったのでどれくらい下がるのかと思っていたが、投票率も前回と比べると結構高かった。それだけ、県民の『鹿児島を何とかしないと』という思いを感じた」。県政を担う責任を持つことについては、「30数年間、(記者として)永田町で政治経済を中心にやってきて、選挙の担当を務めたこともあった。しかし、自分が候補者として立ったとき、直に接することで改めて、県民の『何とかしてほしい』という思いが伝わってきた。それに応えていかなければならない。決死の限り、きばっていこうと思う」と力を込める。

選挙戦を振り返り、「17日間を通じて、徐々に徐々に盛り上がってきたと感じた。私がこれまで選挙取材をしてきて思ったのは、選挙で一番強いものは県民や国民の思いである〝風〟と流れ。今回、これが一番大事だと改めて感じることが出来た」。

子どもたちに夢と希望を与える政策をしたいと訴えてきたことについて三反園氏は、「スポーツでも文化でも、子どもたちに本物、一流のものと接する機会を作りたい。鹿児島にはプロ野球も来ないが、その理由はやはり、トップの熱意だと思う。こうしたトップセールスは経済効果にもなるので大事なこと。国体も控えており、スポーツの振興には力を入れたい」と笑顔を見せた。

各社の新聞記事をチェックし、時折記者らと談笑も交えながら語った三反園氏。県政のトップとして「トップが代わると政策も雰囲気も変わってくる。色々な人の意見を聞くこと、そこがヒントになる。今の鹿児島は『出来るわけがない』と、最初からだめだという議論をしてしまう。何かを作り上げるとき、〝だめ〟という発想が〝だめ〟。民間ではだめなことをやらないと次はない。常識にとらわれない発想に従う勇気を、県職員には持ってほしい」。民間の発想で知恵とアイデアを出す。県民から託された思いを胸に、ほかにはない、新しい鹿児島を全国に示したいと熱い思いを語った。
(油井 あづさ)