2年目の武蔵野大「徳之島PJ」開村

2年目となった武蔵野大「徳之島プロジェクト」第1陣の学生(後列)と関係者=13日、徳之島町

徳之島町で9月まで計59人予定
「若者・よそ者の視点」期待

 【徳之島】今年で2年目となる武蔵野大学(本部・東京都江東区)の1年生対象「徳之島プロジェクト」の開村式が13日、徳之島町亀津東区公民館であった。11日からの第1陣(班)10人を皮切りに9月12日まで2カ月の間、6班に分かれ計59人が滞在。農業体験や観光面のフィールド調査を通じ、「若者・よそ者」の視点で「島にリピーターを増やす」ための施策提案も行うという。

 同大学が5年前から取り組む産学連携教育による人材育成の一環。1年次は、全学横断教育「武蔵野BASIS」のフィールドスタディーズに位置付けて、今年度は地方創生ともリンクさせ全国で29プログラムを計画した。昨年からの「徳之島プロジェクト」は徳之島町の会社社長(37)と、同大の幹部職員との縁が懸け橋に。一方、地元町当局は、学・官連携で首都圏から「新しい人の流れをつくる」施策、町地方創生推進事業の1つにも位置付けている。今年度は宿舎(民間アパート)借り上げ助成費など120万円を計上した。

 2年目の「開村式」には、11日に同町入りした第1陣(班)10人や大学職員、地元町当局、受け入れ農家などの関係者が参加。幸野善治副町長は歓迎あいさつで、農業体験やフィールドワークを通じた施策の提言、世界自然遺産登録に向け地元が気づきにくい「宝の発掘と発信」にも期待。

 同大就職・キャリア開発部長の土屋忍氏(武蔵野文学館教授)は、島尾敏雄文学など現地調査当時の感想も交え、学生らに「離島の存在自体が文学表現。島の宝箱を開けて、フェイスブックなどSNSで発信して欲しい」。町と大学双方間で覚書を披露した。

 学生を代表、文学部1年の粂=くめ=原光さん(18)=埼玉県春日部市=は「豊かな自然と環境の体験で感受性を磨き、農業体験で農家の思いと働きも知りたい。2日だが農家や島の方々の優しさにもふれ、恩返しをしたい。多くの情報を得て、仲間たちと島の魅力をSNSで発信したい」とアピールした。

 第1班農業体験はタンカンなど果樹や肉用牛の3農家が受け入れている。日程は移動日含め7泊8日間ずつ。農業体験の合間の5日目は終日島内のフィールド調査も実施。最終日午前、同町役場で施策提案のプレゼンテーションを行うという。