天城町熱帯果樹生産組合

プレミアムマンゴー「太陽王」の横でテープカットする関係者=25日、天城町

マンゴー収穫風景
完熟マンゴーを収穫しアピールした関係者

「太陽王」交え出発式
畑かん効果でマンゴー高品質化

 【徳之島】天城町熱帯果樹生産組合(新田功吉組合長、組合員34戸、約5㌶)の今期産マンゴーの収穫と出発式(町共催)が25日、同町松原の新田組合長(62)のマンゴー園であった。組合の統一銘柄「情熱のかおり・奄美マンゴー」の収量見込みは例年の3分の1の約15㌧(約5250万円)。一方では徳之島ダム関連の畑地かんがい効果によって肥大化など高品質化が促進。同園は奄美群島プレミアムマンゴー「太陽王=てぃだおう=」の商品化率は過去最高の3、4割を見込む。

 天城町でマンゴー栽培が始まったのは1985年。ごく一部の先進農家ら手探りの試験栽培が端緒だったが、収益性の高さや町のハウス補助事業などテコ入れもあり面積が拡大。本県の先駆け産地として31年の歴史を重ね、町内の現栽培戸数は約60戸、面積は約6㌶。

 出発式には組合員農家や関係機関・団体の関係者ら約50人が参加した。「太陽王」の奄美群島プレミアムマンゴー生産販売組合長でもある新田組合長は、先駆け産地として樹の老成木化にも伴う開花・着果促進など課題を提起。一方で、国営かんがい排水事業と県事業で昨年導入したチューブかん水について、「手間の掛かっていた花殻落としの省力化や果実の肥大化、ヤニ果が一挙に無くなった」と効果を強調。

 12年度にスタートした「太陽王」(①等級「赤秀」最高品質以上②階級「3L」490㌘以上③糖度15度以上④無加温栽培⑤同プレミアムマンゴー生産ガイドラインに沿った栽培など)の生産に関しては「本土産と差別化できる果実を作っていきたい」。個人的には「過去30年間で最高の品質で約3、4割の『太陽王』出荷が見込める」という。

 大久幸助町長らは祝辞で「マンゴー栽培は天城町から県内に広がったと思う。水利用で島の農業は変わっていく。生産組合の組織を強化し、農林水産物輸送コスト助成を使える方法も考えて欲しい」など期待。関係機関代表で期待を込めてテープカットして出荷開始を祝い合った。

 収穫・出荷は8月10日ごろまでの見込み。天城町熱帯果樹生産組合(℡0997―85―4616)。