実際に加計呂麻島展示・体験交流館を視察して改善点を探る委員等
瀬戸内町加計呂麻島の展示・体験交流館やせとうち海の駅の課題解決に向けた「加計呂麻島展示・体験交流館等あり方検討委員会」が3日発足し、第1回検討委員会(委員長・大江英夫九州観光推進機構観光アドバイザー)が同町諸鈍の展示・体験交流館で開かれた。施設視察や意見交換会などで、現状の課題を確認。今後、施設ごとに作業部会を設置し、12月までに計4回の委員会を実施、提言をとりまとめるという。
同委員会は2年後に予定されている「世界自然遺産登録」などを見据えた際、開館以来挙がっていた各種課題に対する早急な見直しが必要であることから設置。委員は有識者や町内の経済団体、地域団体の代表者ら9人で構成する。
同交流館では▽展示スペースに空きができ、有効活用が図られていない▽飲食物などの売店がなく、飲食スペースがない▽展示内容や照明、案内・説明が統一されておらず、館のコンセプトが分かりにくい―などの課題を提起。海の駅でも▽空きスペースが多い▽観光情報などの情報発信不足▽奄美大島と加計呂麻側の交通結節点としての利点を生かしきれていない―などが挙がっている。
委員会では特に同交流館の「飲食スペース」の確保や「情報発信」に関する意見が多くあり、館内を視察した際にも、「展示についてももっと上手くスペースを使えるはず。廊下も広いので、飲食できる部分を作るスペースは十分にあるのでは。こうした島では確実に何か食べられるというのは最大のアピールポイントになる」などと指摘。また、開館した昨年よりも入館者は全体で40%ほど増加していることから、「人が多くなっている今、失望されるのが一番問題。早急に対策しなければ」という意見もあった。
海の駅についても同様に機能面や空きスペースの有効活用方法などの例を提案。特に海の駅(奄美大島)から同交流館(加計呂麻島)まで観光客を分かりやすく誘導できる、観光情報発信やフェリー・定期船との連携などの仕組み作りが必要などとした。
同町では同委員会でまとめた提言を踏まえて、具体的なリニューアル計画を作成。2017年度当初予算で予算化し、実現を目指すとしている。