自民党奄振特委

自民党政務調査会奄美振興特別委員会であいさつに立つ保岡興治委員長、左は金子万寿夫事務局長

「沖縄との連携図る骨太方針を」

17年度概算要求 奄振関係予算要望で注文
 【東京】自民党政務調査会奄美振興特別委員会(保岡興治委員長・金子万寿夫事務局長)は4日、党本部で会合を開き、経済対策及び2017年度奄振関係予算要望について、地元奄美の首長や関係省庁担当者などと意見を交わした。これは8月末の概算要求に向け、各省庁との連携を図るのが目的だ。

 地元からは、奄美群島市町村長会の伊集院幼会長(大和村長)と朝山毅奄美市長が出席。
保岡委員長は、「輸送費(空路・航路)の低減を図ったことで交流人口が増え、歴然とした結果が現れている。地元の意見を聞きながら、沖縄との連携を図る骨太の方針で予算確保に努力したい」とあいさつ。

 続いて国交省など各省庁が今回の要望内容について説明。国交省は①「未来への投資を実現する経済対策」として、条件不利地域の振興として奄美群島など不利地域の活性化を図る②「経済財政運営と改革の基本方針2016」として奄美など近隣地域との調和ある発展や交流・連携(世界自然遺産登録を見据えたものを含む)③「まち・ひと・しごと創生総合戦略2015改訂版」として沖縄については、奄美群島などの周辺地域との調和ある振興④「奄美・沖縄連携促進事業(今年7月1日から実施)」―の現況を報告。

 また農水省は、奄美大島におけるミカンコミバエ種群の緊急防除について説明。「7カ月という短い時間で緊急防除を解除できたことは、農家・地元住民、関係者皆様の協力のたまもの」と謝辞を述べ、今後の対応方針として有識者の意見を踏まえた上で①早期発見のため、トラップの増設等、侵入警戒態勢の強化②侵入時の迅速な防除のためテックス板の備蓄等、防除体制を整備③侵入時には、地元住民とも速やかに情報共有し、住民等とも連携した防除対策を実施する―方針。

 さらに環境省は▽海岸漂着物等地域対策推進事業(奄美大島、喜界島、徳之島)▽漂着ゴミ処理事業(災害等廃棄物処理事業費補助金の内数)▽離島の低炭素地域づくり推進事業(奄美大島、喜界島)▽自然公園等事業(奄美群島)▽特定野生生物保護対策費(奄美群島)▽特定外来生物防除等推進事業―などを盛り込んでいる。

 各省庁の説明に対して、各委員からは「光ファイバーが届いてないなどの情報通信網が立ち遅れている」「(震災に見舞われた)九州・阿蘇地方へのプレミアム旅行券は一定期間に的を絞ったことで、12月まで延長するほどの人気商品。こういう効果がある施策検討を」「奄美に百数十戸の自衛隊官舎ができることで、500億円以上規模の公共事業になる。これを地元で受注できるように」と注文が相次ぎ、「自衛隊については保全振興法や訓練所の用地取得なども」と新しい視点も。

 また、沖縄県選出の委員は「離島という不利性を活力に変えて、奄美・沖縄とセットで、頑張っていきたい」とし、これらを受けて保岡委員長は「厳しいが、心のこもった激励に感謝する。共通認識をもって具体化していきたい」と謝辞を述べた。