城南海さん初出演

城南海さん2

8月6日午前の部に出演後、花束贈呈(上)と、観劇した在京奄美人と一緒に写真に収まる城南海さん

城南海ミュージカルポスター
和製ミュージカル「狸御殿」に初出演している城南海さんのポスター

宮本亜門さん演出の和製ミュージカル
奄美出身者ら応援観劇 山元順公さんたちが企画

 【東京】この夏、リオではオリンピック!東京では狸祭り!宮本亜門さん演出の伝説の和製ミュージカル「狸御殿」が20年ぶりに東京を熱くする――。大々的な触れ込みで新橋演舞場8月公演「狸御殿」が1日から始まった。このミュージカルに奄美出身の城南海さんが初出演しており、在京の奄美出身者80人が6日昼の部の観劇に集合。彼女の歌声と演技に熱心に拍手を送っていた。出演後に「化粧落とせないですみません」と、白木蓮の役のまま城さんは集合写真に収まった。

 「私は自分でできることをしただけです」。森に住む白木蓮の精として堂々と登場した城は、ミュージカル初挑戦とは思えない演技を披露。落ち着いたせりふで、グイン(こぶし)を交えた歌声は、場内の多くの人たちが目を閉じて聴き入っていた。

 「狸御殿」はミュージカルの一人者、宮本亜門さんが日本を代表する作曲家服部隆之とともに20年ぶりに復活させた、〝和製ミュージカル〟。城さんが出演し、活躍する「カラオケバトル(テレビ東京)」でゲスト出演していた宮本さんと出会ったのがきっかけ。

 彼女の声にほれた宮本さんの希望で出演がかなった。城さんは「亜門さんが私の声から自然の力や大地を感じるとおっしゃってくださっていて、今回、白木蓮の役をくださったと思うんです」と話している。役どころは、主役の尾上松也(狸吉郎)がひとめぼれするヒロイン(きぬた・瀧本美織)を励ます役。きぬたと狸吉郎の中を引き裂き、妻の座を奪おうとする十六夜姫と歌声を武器に戦いながら、狸吉郎ときぬたの仲を取り持つ。

 十六夜姫には「カラオケバトル」でもバトルを展開する翠千賀さん。同番組で10冠に輝く城さんは、この舞台でも美声で十六夜姫を撃退。白木蓮は命をかけた歌声で2人を幸せに導くという内容。

 舞台は二部構成。熱演の後、緞帳が上がる。そこにはただ一人城さんが。彼女は朗々と〝さくら〟を独唱。客席の中にはその圧倒的な声に目頭を押さえる姿も。

 今回の観劇の企画をたてたのは奄美出身の山元順公さん、奄美二世の林法義さん、喜界島の原田尚樹さんたち。山元さんは「東京に住む大島高校関係者、瀬戸内、笠利、喜界島、南海ちゃんファンの『南海人』が来てくれた。ワンの同窓生は兵庫県からと愛知県から夫婦で来てくれた」と大喜び。

 製作を手がけた松竹㈱の団体営業の益子雄輝さんは「奄美関係でこんなに集めていただきありがたいです。2人の歌声バトルはすごいですね」と評していた。

 また、城さんの父親と同級生の豊島福安さんは「娘のミュージカルを観にいってくれと言われてきたが、期待以上だった。本当にうまかった。いい報告ができる。27日までやっているのでもう一度観にきますよ」とわが子のようにべた褒めしていた。
 (高田賢一・永二優子)