福原選手がポイントを挙げたのを喜ぶ村民ら
宇検村で先月14日~20日までリオデジャネイロ五輪に向けた合宿を行っていた同五輪卓球女子日本代表の福原愛選手(27)を応援しようと、同村で11日午前、福原選手のシングルス3位決定戦のパブリックビューイングが行われ、村民ら約100人が、五輪卓球で日本勢初となる個人メダル獲得を目指して戦う福原選手に声援を送った。
パブリックビューイングの会場となった村生涯学習センター・元気の出る館には、子どもから大人まで集まり、3回戦で石川佳純選手を破ったキム・ソンイ選手(北朝鮮)が相手の3位決定戦の行方をかたずをのんで見守った。
「キバレ!愛ちゃん!」と書かれた横断幕を掲げ、チヂン(島太鼓)で応援。福原選手がポイントを奪うたびに歓声やチヂンをたたく音が響き、ポイントが奪われると悔しがり、「頑張れ」と声援を送った。
福原選手は健闘するも第3ゲームまでを連続で落としたが、落とすと敗退が決まる第4ゲームを接戦で制すと会場からはひときわ大きな歓声が上がった。第5ゲームをキム選手が制し、福原選手の負けが決まると、健闘を称える温かい拍手が送られた。
福原選手が合宿中、体育館を使用したお礼で訪れた田検中学校の山下太玖海=たくみ=君(2年)は「訪問の時は、一緒に卓球のラリーをしたり、クイズをしたりしてとても楽しかった。3位決定戦は負けてしまったけど、団体戦を頑張ってほしい。接戦で感動した」と話していた。
村教委の藤田教夫教育長は「メダルを獲得できず残念だったが、素晴らしい試合を見させていただいた。合宿では気さくな人柄や思いやりに村民も感激していた。村民が世界を身近に感じたり、村の子どもたちにとっても地元に誇りを持つことにつながったのではないか。オリンピックが終わってゆっくりしたら、村に来ていただいて、奄美の自然や人情に癒されてほしい」と話していた。
福原選手の同村での合宿は、福原選手のマネージャーと㈱奄美大島開運酒造(本社・同村)との縁で実現。五輪前に気分転換を図る意味もあったという。合宿中にはふれあいイベントも開催された。