文化講演会

地方創生への取り組みをテーマにした東京奄美会の文化講演会

外からの視点が活性化に
東京奄美会 地方創生取組み学ぶ

 【東京】東京奄美会は7日、「奄美群島における地方創生への取り組み」と題し、文化講演会を開催した。講師に前鹿児島県企画部企画課長、現総務省自治行政局地域自立応援課課長補佐の清水隆教=たかのり=氏を迎え、奄美の現状を知り、「東京から奄美に出来ることはなにか」などを模索した。

 会場となった四谷の主婦会館には、120人の郷土を愛する人たちが出席し、清水氏の話に耳を傾けた。

 地方創生、奄美群島の現状(奄振計画等)、地方創生の具体的な取り組み、奄美群島の今後の課題の四つを柱に話が進められた。

 それによると、地方創生の鍵は、「出生率の向上が重要、2040年までに消滅可能性都市が鹿児島の43団体のうち30団体、奄美群島内では、龍郷町と和泊町のみが外れている」と指摘。地域をどう活性化し、人口増加をはぐくんでいくか、国の取り組みなどが、清水氏が用意した90ページにも及ぶ資料で、紹介された。

 各市町村別に提出されている総合戦略概要をみると、どのように地域が取り組んでいこうとしているのかがわかり、出席者たちも故郷の活動を身近に感じることが出来た。

 奄美群島の現状については、新しく設けられた奄美群島振興交付金により、農林水産物輸送費支援、航路・航空路線運賃の低減、世界自然遺産登録に向けた観光キャンペーンなどに力がいれられていることなどが紹介された。

 地方創生の具体的な取り組みとしては、人口流出の歯止めとして、移住のすすめを積極的にと主張。外からの視点が活性化につながっている事例などを交えて「地域興し協力隊」の活動などが紹介された。

 今後の課題については、世界自然遺産登録への働きかけや、喜界島のサンゴ礁科学研究所開設など、自然を生かした取り組みが全面に押し出されている。ふるさと納税にも触れ、東京で暮らす人たちが故郷に出来ることとして、取り上げられた。

 質疑応答では、「故郷への恩返しは、ふるさと納税か」「消滅可能性都市というのは納得できない」などの熱い言葉が、出席者からあがっていた。

 人選に当たった、東京奄美会の文化広報部長の竹内秀健さんは、「奄美のことに長年携わっていた人だけに、貴重な話が聞けた」と話した。