トンネル内照明LED化

照明灯具のLED化で明るさが増した本茶トンネル

明るさ好評、寿命で10倍の差
大島支庁

 県大島支庁は、管内トンネル内照明のLED化へ灯具の切り替えに取り組んでいる。従来の低圧ナトリウムランプに比べて寿命で10倍の差があり、維持管理費の抑制のほか、トンネル内が明るくなったと利用者から好評だ。

 トンネル照明のLED化は全国的に2007年から始まり、13年に国がガイドライン(LED道路・トンネル照明導入ガイドライン)を策定したことで普及に弾みがついた。ガイドラインでは適用する場合の基本的条件、照明設計の手法、LED照明灯具の技術仕様などを示すとともに、ライフサイクルコスト算定や導入手法などの考え方を示すことで的確で円滑な導入を図り、道路・トンネル照明の省電力化および維持費の低減を目的にしている。

 大島支庁建設課は国のガイドラインに基づき切り替えに着手。15年に大和村の国直、今里の両トンネルがLED化され、今年に入ってからは奄美市名瀬の小宿(3月完了)、大和村の名音(5月完了)、奄美市名瀬と龍郷町を結ぶ本茶(7月完了)の各トンネルが切り替えられた。

 このうち奄美空港と名瀬市街地を結ぶ国道58号内の本茶トンネル(延長1055㍍)は交通量が多く、供用から30年も経過している。同課によると、従来の低圧ナトリウムランプはオレンジ、イエローの単光色で、霧や煙の中での光の透過性に優れている。しかし寿命は9千時間のため1年で1回の交換が必要。

 これに対しLED照明の寿命は9万時間で、一度設置すれば10年間は交換しなくても済む。低圧ナトリウムとLEDを比較すると、設備投資費では9割、電気代で8~9割の差だが、交換で1~2割も差があることから、トンネル照明灯具の維持管理費はLEDにすることで従来の「4~5割の範囲内で納まる」(建設課)という。

 トンネル照明灯具のLED化は奄振予算を活用。本茶トンネルの場合約1億円をかけた。トンネル利用者から「明るく輝く電灯の光の中を通行させていただき感動した。最近は特に高齢者の運転する車が増加し交通事故が多発する傾向にある中、安心・安全につながる」などの感想が同課には寄せられている。今年度はさらに山羊島トンネルのLED化も計画している。