県市町村課がこのほどまとめた市町村たばこ税の2014年度税収をみると、たばこが購入できる20歳以上の指標となる選挙人名簿登録者数(14年9月2日現在)に基づく一人あたりの納付額は、大和村を除く奄美11市町村で平均を上回っている。徳之島町では県内最高の1万4373円となるなど7市町村で1万円を超え、奄美群島は愛煙家の多い地域性と言えそうだ。
たばこは価格の約3分の2が税金。たばこ税は国税と地方税に分けられ、1箱410円の場合、国税が122・44円(たばこ特別税含む)、地方税は都道府県分17・20円、市町村分105・24円となる。これに消費税など19・52円が加わった合計264・4円が税金だ。市町村分は購入した自治体の財源になる。
14年度の県内43市町村分の合計は前年度比約3・8%減の約118億円で、一人あたりの納税額は同3・2%減の8562円。43市町村のうち、前年度税収を上回ったのは姶良市、三島村、肝付町の3市町村のみだった。
市町村別一人当たり納税額トップの徳之島町は、人口割りでも6年連続で1位。町内には島内最大の繁華街・亀津を有し、買い物ついでに購入する人が多いと推測される。伊仙町は9319円で、一人当たり納税額は12市町村で唯一増加した。町税務課は「14年8月にエブリワン伊仙店(当時)がオープンしたこともあり、地元で購入する人が増えたのではないか」と推測した。
最少は大和村の4188円で、こちらも人口割りで8年連続の最下位。一方、同村と人口規模が類似し、隣接する宇検村は額こそ1万1811円。県下全域でみてもトップクラスの額だが、前年度より1450円減少した。
12市町村分のたばこ税収をみると、大幅な価格値上げがあった10年が8億4600万円、11年9億8800万円、12年9億6700万円と段階的に増加。13年は地方税の改正で、都道府県たばこ税の一部が市町村たばこ税に移譲されたことから、10億6700万円に増え、14年は10億1200万円と微減したものの、奄美群島の各自治体では貴重な税収となっている。