生鮮食料中心に品薄

野菜が品薄になっている奄美市内のスーパー。定期船の欠航が長引けば、品薄が長期化する懸念も

奄美大島のスーパー
定期船欠航、長期化懸念も

台風12号が奄美地方に接近した影響で、奄美大島では3日から鹿児島―奄美―沖縄航路の下り船が欠航した。奄美大島の各スーパーでは入荷が止まり、生鮮食料品などを中心に品薄になっていた。台風は北上して九州地方に進んでいることから、欠航が続くことも予想され、品薄状態が長期化する懸念もある。

奄美市内の各スーパーでは、野菜やパン、清涼飲料水など、一部の商品が売り切れに。ウインナーやハムなどの加工肉や納豆などの日販品も品薄が目立った。

各小売店では通常、台風接近を見越した発注量を確保するのが通例だが、今回の台風は1日に発生した後、すぐに北上を開始して奄美地方に接近。ある店舗担当者は「こんなに早く台風が来るとは。発注が間に合わなかった」と説明する。

現在、3日鹿児島発の下り船の欠航が決まっており、別の店舗担当者は「5日に船が入るかどうかは、臨時便次第と聞いている」と嘆く。「船が入るまで、お客さんには迷惑をかけて申し訳ない」と肩を落とした。

今後の見通しとして、台風12号が九州地方に接近する予報なことから物流がマヒし、牛乳やパンなどの日販品については下り船が出航する鹿児島に到着しないことが見込まれる。このため、離島にはこれらの商品の入荷がさらに遅くなる可能性がある。また、先月相次いで本土へ台風が襲来したため、野菜の値段が高騰しており、さらなる高騰も懸念されているという。

買い物に訪れた吉田直子さん(46)は、「台風はいつものことだが、今回は買い物の事前の備えができなかった。自宅の冷蔵庫に常備している物は売り切れが多く、入荷が待ち遠しい」と話した。