くれないの塔で慰霊式

市民も参列し、献花などを行い、事故の犠牲者を哀悼した

哀悼の意、次世代へ伝承
奄美大島JC 海上自衛隊出席、追悼飛行も

公益社団法人奄美大島青年会議所(JC・肥後孝幸理事長)は4日、奄美市名瀬金久町のらんかん山に建つ「くれないの塔」で慰霊式を開いた。参列者は、54年前に起きた自衛隊航空機の墜落事故で亡くなった市民と隊員へ哀悼の意を表すとともに、同事故を風化させることなく次世代へ伝えていく決意を新たにした。

慰霊は1962年9月3日、血液輸送の任務を受け奄美に向かっていた自衛隊機がらんかん山に墜落し、地元住民1人を含む13人が犠牲となった事故が由来。奄美市は95年から同日を「献血の日」に制定し献血活動を実施している。また、JCや自衛隊OBらが慰霊碑周辺の清掃活動、慰霊式を恒例として行ってきている。

式典には、海上自衛隊鹿屋第一航空群、自衛隊鹿児島地方協力本部から4人が出席。JC、自衛隊OB、NPO法人の関係者も参列した。参列者たちは式開始時刻の追悼飛行を見届け、慰霊碑に向かい献花や焼香、黙とうを捧げ哀悼した。

同隊第一航空群・市田章司令は「私たちはこのような凄惨な事故を繰り返すことのないよう、いかなる事態に即応しうる部隊を目指し、皆さんの期待に応えていく決意を新たにした」と述べた。

肥後理事長は「離島医療に尽力していただいた隊員、犠牲になった市民に改めて哀悼の気持ちを持った。この事故を風化させることがないよう、これからも市民に伝えていけたら」と語った。